歌舞伎俳優尾上菊五郎(78)、尾上菊之助(43)らが出演する国立劇場初春歌舞伎公演「四天王御江戸鏑」が3日、初日を迎えた。国立劇場のお正月は、トレンドや流行のエンタメなどを取り入れるのがお約束。NiziU、鬼滅の刃、ウーバーイーツなどさまざまな余興を組み込み、客席を沸かせた。

源頼光と、家臣の四天王による妖怪退治の物語。遊女と客でにぎわう酒宴のくだりでは、NiziUの「Make you happy」が流れ、女形を演じる菊之助ら9人がいきなり縄跳びダンスをして客席を沸かせた。遊女が客に「ソーシャルディスタンス!」「3密を避けるのよ!」と手に消毒スプレーを吹きかけたり、座敷の掛け軸がアマビエだったりと、コロナ禍の今を取り入れたシーンも続々と登場した。

鬼退治のシーンでは、退治された鬼が「鬼滅よなぁ~」と息絶えたり、花道からウーバーイーツの配達員が菊五郎に届け物をする場面もみられた。

クライマックスは、土グモの妖怪姿で登場した菊之助が宙づりで敵と戦うスペクタクル。エンターテインメント色満載で2021年の歌舞伎を幕開けていた。公演は27日まで。