歌手坂本冬美(53)と女優泉ピン子(73)が26日、東京・日本橋浜町の明治座で「坂本冬美芸能生活35周年記念公演 泉ピン子友情出演」の初日を迎えた。

新型コロナウイルス対策を万全に期した上で、第1部で芝居「かたき同志」、第2部で「坂本冬美オンステージ2021 艶歌(うた)の桜道(はなみち)」を上演した。

「かたき同志」は橋田寿賀子作で石井ふく子演出、そしてピン子が出演というTBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」のゴールデントリオが勢ぞろい。坂本は娘を持つ大店の呉服屋の女主人、ピン子は息子を持つ下町の居酒屋のおかみさん。親の思いに反した娘と息子の結婚問題でぶつかり合い、やがて意気投合する涙あり笑いありの人情喜劇。

オンステージでは坂本がデビュー曲の「あばれ太鼓」や「またキミに恋している」「ブッダのように私は死んだ」「夜桜お七」などのヒット曲を熱唱した。

終演後に坂本とピン子は、アクリル板で仕切られながらも並んで会見した。

坂本は「お稽古からマスク2枚、その上からフェースシールド。入る時も、帰る時も、検温消毒。初日が迎えられるか心配でした。最後の稽古が終わって、本当に初日迎えられると思うと、興奮して眠れませんでした。朝、5時前に目が覚めんだけど、ピン子さんから朝5時前にLINEが来ていました」と振り返って笑った。

ピン子は「命がけで取材に来ていただいて、ありがとうございます。今日、びっくりしたのは客席が(マスクで)真っ白だったこと。劇場もすごく気を使っているけど、出演者もどこにも出掛けていない。私もファミレスのサンドイッチと、冬美ちゃんのところのお弁当を食べています」と話した。

昨年来の新型コロナウイルス禍で、仕事状況が一変した。

ピン子は「(昨年3月に)志村(けん)さんが亡くなった後、全部キャンセル。73歳の方は、怖くて使えません、と。一応、『生きてるぞ』と毎月、(フジテレビ系の)『スカッとジャパン』だけ出ていますが。今日は涙ぐんで、声がつまりました。本当に、ありがたい。今まで、お客さんが来てくれるのが当たり前だった。劇場も、出演者も気を抜かないので、安心して、見に来てください。坂本の『ブッダ(のように私は死んだ)』を生で聞いていただきたい。私、(坂本の)後援会長でございますから」と話した。

一昨年の東京、大阪の公演に続いて3回目の公演。

ピン子は「舞台を辞めていて、断らないけど、いやだっって言ったの。でも、背中を押してくれた。必要としてくれたのがうれしかった。舞台辞めて、小林綾子に化粧前あげちゃってたんだけどね。作り直しました。冬美ちゃんだからね。他の断ってた人から、文句が来ました。でも、他に浮気しません。この人だけです」と話した。

坂本は「舞台上でピン子さんとバトルをしていますので見に来てください。あんまり笑っちゃいけないし、声も掛けられない。でもボードにADさんみたいに(メッセージを)書いてくれた人もいました。本当にうれしいです」と笑顔を見せた。