俳優舘ひろし(70)が、4月1日に新事務所「舘プロ」を設立することを発表した。このほど日刊スポーツなどの取材に、設立経緯、映画製作への思いを語り、秋撮影予定の舘主演作の製作、プロデュースに舘プロが関わると明かした。5月には主演ドラマ撮影も予定されている。舘プロで、舘の俳優業、映画製作の両輪が動き始める。

舘が約38年間在籍した石原プロモーションは1月16日に終業し、3月末で残務整理を終える。舘は「(石原)裕次郎さん、渡(哲也)さんの夢だった映画作りの灯を引き継ぎたい気持ちが強かった」と話した。

昨年8月に渡さんが亡くなり、舘はなかなか前向きな気持ちになれず、石原プロ終業後は他事務所に移籍、という話も出た。周囲と話をする中で、映画作りへの思いをあらためて強くし、昨年末ごろ設立へ向け具体的に動き始めた。

新型コロナに関する緊急事態宣言解除後、裕次郎さん、渡さんの墓参りに行く予定だ。舘は「『映画作りの情熱を引き継いでいきます』と報告します」。

舘プロのロゴも披露された。舘のシルエットと、映画への思いを込めた「House of Pictures」の言葉が入っている。「恥ずかしいね」と、照れる表情は明るい。

所属俳優は舘1人、社員5人のスタート。舘は「これからいろんな人に入ってほしい。女性も入ってもらっていい。どこかで石原プロのにおいをさせたい」と、家族的できずなの強い事務所にしたいとした。【小林千穂】

○…ロゴデザインは、広告制作を手掛けるクリエーティブエージェンシー「ライトパブリシティ」の栗本知樹氏が手掛けた。同社と舘は、舘が85年に大塚製薬「ポカリスエット」のCMに起用されたことをきっかけに、36年の付き合いがある。舘は「皆さんに助けていただいています」と感謝した。