唐沢寿明(57)が31日、都内で行われた、シャチハタの「Shachihata Cloud」(シャチハタクラウド)新CM発表会に登壇した。

セリフがなく、顔の表情と体の動きだけで表現するタイプのCMだったと明かし「こういうタイプのCMは初めてですね。どうしようかと考えた」と苦笑いした。

シャチハタクラウドは、クラウド電子印鑑・電子署名サービスで、マイクロソフトがウインドウズ95を出した1995年にパソコン決済サービスとして始まった。17年にパソコン決済クラウドとしてサービスを一新。20年にシャチハタクラウドとして、社内だけでなく社外で使えるサービスとなった。

唐沢はCMで、机に座ってパソコンに向かい、マウスをクリックして電子印鑑で書類処理をする会社員を演じた。「セリフが、ないんですよね…。顔の表情と体の動き、クリックしたりとかで手軽さ、メリットを伝えて欲しいと。どうしようかと考えました。言葉とかでごまかしが利かない企画ですから。デスクに向かって、カメラを向いて、クリックしたり」と撮影を振り返った。

企画を聞いた時は「(CMのイメージを書いた)コンテ見た時、全く分からなくて…何のセリフもないし、どうやったらいいだろうと現場に行くまで分からなかった。監督に聞いて、そういう風に作りたいんだとやっと分かって共有できた」と撮影現場に行くまで、詳細が分からなかったという。「次から次へ撮って、終わらないと思った」と振り返った撮影は、予定より2時間早く終了。「セリフもなしに便利だと伝えるのが今回のテーマ…撮影前、いろいろご説明いただきましたけど、どうやっていいか分からない。自分の中に何かが降りてきた感じ。やらないと、しょうがないんですよ、現場に行くと。一生懸命、考えてやりますよ…毎回、毎回」と語った。

シャチハタクラウドは、稟議(りんぎ)申請書、届出書、見積もり、請求書、注文・注文請書への押印、回覧の電子化を実現した。手持ちの氏名印、日付印、会社の角印や丸印で電子印鑑を作成。電子署名とタイムスタンプでなりすましや文書改ざんを防止するなどの機能があり、スマートフォンやタブレット端末でも利用は可能。コロナ禍でリモートワーク時代となってきている、現代向けのサービスだ。95年からの導入は60万件に上る。

唐沢も会場で、シャチハタクラウドを体験した。楽屋に届けられる弁当を豪華にするという契約をシャチハタの舟橋正剛社長と結ぶという書面で、唐沢は「契約しないと、食べられないんですか? 豪華な弁当にする契約…いいですね。なかなか出会わないですから。しょうがない。やるしかないですね」と挑戦。「撮影前、いろいろご説明いただきましたけど、どうやっていいか分からない。できるかな?」と、おっかなびっくりだったが「すっげぇ…これ、今っぽいな。早っ! 大丈夫かな、と思っちゃう。すごいわ、これ」と驚いた。

唐沢はイベントの最後に「印鑑押すためだけに、会社に行きたくないですよね。でも印鑑を押すのは日本の文化。いつまでも残って欲しい。サインだけ、というのは日本っぽくない」と笑みを浮かべた。舟橋社長は、新CMに唐沢を起用した理由について「(20年の)3~6月、無料開放させていただいた。月々、2000件の申し込みが27万件。ポジティブな意見を頂戴しているが認知度が低い。非常に真面目で真剣な表情、ユニークで深みのある表現で伝えていただきたい」と説明した。