ドラマ「北の国から」や映画「若大将」シリーズなどで知られる俳優田中邦衛(たなか・くにえ)さんが3月24日午前11時24分、老衰のため亡くなった。88歳だった。「北の国から」で2人の子を持つ黒板五郎を演じ、厳しくも温かい父親像で幅広い人気を得た。12年に親友地井武男さんの「お別れの会」に出席後は公の場に姿を見せることもなく、高齢者向け施設に入るなど、事実上の「引退」状態だった。

2日、田中さんの家族がコメントを発表した。以下全文。

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俳優・田中邦衛は、2021年3月24日午前11時24分、老衰のため、息を引き取りました。

家族に見守られながら、安らかな旅立ちでした。88歳でした。

長年、応援してくださったファンの皆様をはじめ、多くの方々に支えられ、心に残る数々の作品に出会い、幸せな役者人生を歩むことが出来ました。

ここに、生前の御厚誼を心より感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。

故人は、最期の日まで、皆様からの励ましを支えに、前向きに生きる気力と、周囲への感謝を持ち続けていました。

すばらしい医療・介護チームのサポートのもと、私たち家族も、共にかけがえのない時を過ごすことができました。

葬儀につきましては、静かに見送ってほしいとの故人の希望により、過日、家族葬の形で執り行いました。

御香典、御供花などは、お気持ちだけありがたく頂戴し、辞退させて頂きたく、お願い申し上げます。

また、お別れ会・しのぶ会などにつきましても、実施する予定はございません。

これまでお世話になった皆様、お一人お一人に御挨拶申し上げるべきところ、誠に勝手ながら、故人の遺志をご理解頂ければありがたいです。

出演させて頂いた作品を通し、故人を思い出して頂くことがあれば、幸甚に存じます。

重ね重ね、どうもありがとうございました。

2021年4月2日家族一同