吉本新喜劇の個性派、チャーリー浜(はま、本名・西岡正雄=にしおか・まさお)さんが18日午後6時41分、呼吸不全、誤嚥(ごえん)性肺炎のため、大阪市内の病院で亡くなっていたことが21日、分かった。78歳。所属の吉本興業が発表した。事務所によると、舞台は昨年3月が最後。介護施設に入所していたが、今年3月に体調を崩し、市内の病院に入院していた。通夜、葬儀は近親者のみで終えた。

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キザな衣装で、しゃれ男風な雰囲気から放つ「…じゃ、あ~りませんか」「ごめんくさい」「君たちがいて、僕がいる」…。人を食ったような語り口、とぼけた芸風で、往年の新喜劇をわかせたチャーリーさん。近年は介護施設に入所しており、昨年3月の舞台を最後に体調管理に努めていたが、今年3月中旬に体調を崩し、大阪市内の病院に入院していた。

一昨年3月の吉本新喜劇60周年公演では元気な姿を見せており、近年は、京都・よしもと祇園花月公演への出演が多かった。最後の舞台も祇園花月からオンライン配信イベントだった。

チャーリーさんは高校卒業後、作家花登筐の「笑いの王国」に入った。新喜劇の看板だった花紀京さんの父、横山エンタツさんに仕えた経緯もあり、62年に新喜劇へ入団。洒脱(しゃだつ)な雰囲気から“海外かぶれのキザ男”キャラが定着。その派生として「…じゃ、あ~りませんか」の語尾が生まれ、定番ギャグとして根付いた。

芸に厳しかった花紀さん同様に、後輩への指導はスパルタで知られ、往年の新喜劇座員は「チャーリーさんがいると、空気がビシッとする」などと振り返り、座員を引き締める存在でもあった。

結婚、離婚を繰り返すなど、奔放な私生活でも知られた。自らネタにすることもあり、公私ともにひょうひょうとして、つかみどころのない個性は、新喜劇座員の中でも異彩を放っていた。

代表ギャグ「~じゃ、あ~りませんか」は、CMを機に全国人気となり、91年には「新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれ、92年には上方お笑い大賞金賞を受賞。98年にはNHK連続テレビ小説「やんちゃくれ」にも出演するなど、役者としても活躍していた。

◆チャーリー浜(はま) 本名・西岡正雄。1942年(昭17)11月7日、大阪市生まれ。歌声喫茶司会などを経て、62年に吉本新喜劇入団。「浜裕二」を名乗った。89年に米ドラマ「チャーリーズ・エンジェル」にちなんで改名。「ごめんくさい」「君たちがいて、僕がいる」など、決めギャグ多数。関西電力、サントリーなどCMや、テレビドラマ、舞台でも役者として活躍。CDも発売している。