料理人の神田川俊郎(かんだがわ・としろう)さん(本名大竹俊郎=おおたけ・としろう)が25日に、大阪市内の病院で亡くなった。81歳。新型コロナウイルス感染が判明し、治療を続けていた。フジテレビ系「料理の鉄人」やCMなどでも知られる、料理界の人気者だった。

「料理の鉄人」で審査員を務めるなど、親交の深かった女優浅野ゆう子(60)が自身のインスタグラムを更新し、神田川さんを悼んだ。

神田川さんとの2ショットを載せて「あまりにも…あまりにも突然のお別れに…心の整理がつきません…いつもいつも思いやりにあふれたお優しい先生でした」と思いを明かした。

「お会いすることが叶わなかったこの一年間も、こんな時だからこそ美味しいものを食べて元気に過ごしてね。と、色々なものを送って下さいました。つい先日も、しゃぶしゃぶのセットを送るからね。と、ご連絡をいただいたばかりだったのに…」とやりきれない心境をつづった。

そして「今年は必ず会いにうかがいますからと約束もしていたのに…今はただ、20年間の感謝をお伝えすることしか出来ません。先生…本当に本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈り申し上げます」としめた。

関係者によると、神田川さんは2週間ほど前に体調不良を訴え、病院で新型コロナウイルス感染が分かったという。

「料理は心や!」のフレーズ、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで、メディアでも人気だった。料理での派手なパフォーマンスもあって、タレント性で注目されたが、素材にこだわらない新しい日本料理を提唱した人だった。農水省が定める日本食普及の親善大使も務めていた。知名度は抜群で、コンビニや食品企業とのコラボレーション商品やメニュー監修なども行った。

スポーツ好きでもあり、毎年3月に大阪で開催される大相撲春場所へは毎年訪れ、中継で向正面に映る神田川さんの姿は恒例だった。昨年、新型コロナの影響で、春場所は無観客開催となり、繁華街も人出がぐっと減った。北新地に3店舗を構える神田川さんは、大相撲が見られないことはもちろん、街に活気がなくなったのを寂しがっていた。

最近まで店に出ることもあり、料理人として後進の育成にも注力してきた。弟子の中には同じ北新地で店を開く者もいた。

◆神田川俊郎(かんだがわ・としろう)1939年(昭14)11月15日、京都市生まれ。料理人を目指し17歳で京都から大阪へ。なだ万などで修行を積み、26歳で北新地に「神田川」を開店。日本テレビ系「Beアップル2時!」でのコーナー「神田川料理道場」、フジテレビ系「料理の鉄人」で人気に。全国調理師協会名誉会長。