東京都内の定席の寄席4軒と落語協会、落語芸術協会は28日、5月1日から11日まで休業することを決定し、公式ページなどで発表した。緊急事態宣言発出による都の無観客開催要請に対して、寄席側は24日に「社会生活の維持に必要なもの」との声明を出し、一度は営業継続を発表。ただ、この日に都からあらためて「休業要請」があり、応じたとしている。

上野鈴本演芸場はツイッターに「5月1日以降の寄席休業について」と題して「東京都から演芸場(寄席)に対する『無観客開催要請』は我々の性質上受け入れ困難として有観客開催を継続してまいりました。本日改めて都より『休業要請』への打診があり東京寄席組合・両協会で協議の結果『5月1日~11日の営業をやむなく休止』させていただきます」とアップした。

浅草演芸ホールはHPで「『5月1日以降の臨時休館』のお知らせ」と題して発表。「公演を楽しみにしていらしたお客様には大変申し訳なく、心よりおわび申し上げます」などとコメントしている。新宿末広亭もツイッターで発表。池袋演芸場も休業する。

落語協会はHPで「寄席公演休止のお知らせ」と題して「緊急事態宣言の発出を受け、東京都より演芸場に対して『無観客開催要請』がありました。『休業要請』ではなく『無観客開催要請』のため、演芸場の性質上無観客開催を受け入れることはできず、25日以降有観客開催を継続してまいりました。本日改めて東京都より落語協会・落語芸術協会に対し演芸場の『休業要請』があり、両協会及び東京寄席組合との協議の結果、本件受諾し、5月1日~11日まで寄席定席公演を休止させていただきます」と報告。落語芸術協会もHPで同様の発表をした。

西村康稔経済再生担当相が26日の記者会見で、寄席や演芸場に対して「支援策を活用して休業要請に応じてほしい」。加藤勝信官房長官も27日に「さまざまな不満もあると思うが協力してほしい」と発言していた。