2021年の芸能界でブレークしたり、バズる「急上昇」候補は-。日刊スポーツが注目する新星たちを「2021年『急上昇!』」と題し、随時掲載でお届けします。

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俳優綱啓永(22)が、舞台「タンブリング」(大阪公演6月11~13日、東京公演同17~24日)に出演する。今月2日最終話を迎えたABEMAの「恋とオオカミには騙されない」も含め、若手俳優の「登竜門」と呼ばれる話題作やコンテストを次々と経験している。急成長を続ける注目株が、今の思いを語った。

綱は17年、数々の有名俳優を輩出した第30回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得。19年からは戦隊ものの人気ドラマ(テレビ朝日系)&映画「騎士竜戦隊リュウソウジャー」シリーズに出演し、ABEMAで「オオカミシリーズ」として話題の恋愛リアリティー番組「恋とオオカミ-」の演技でも注目された。「タンブリング」も「ジュノン-」の先輩菅田将暉(28)や、佐野岳(29)千葉雄大(32)志尊淳(26)らを輩出した名作舞台。綱は「ジュノン、戦隊、オオカミ、タンブリングっていう4つの登竜門を通ってきたので、ちゃんと結果を出さないと、と思っています」と意気込んだ。

同舞台はある高校の新体操部を描いた作品。綱自身、新体操は未経験で、学生時代、器械体操も得意ではなかったという。オファーを受けた際は、喜びと同時に不安な思いもあったが、現在はトレーナーの元で練習を重ね、バック転ができるようになった。

「最終目標はバック転の3回連続。僕が頑張って努力している『タンブリング』の演技に注目していただけたら。絶対にやります!」と誓った。コロナ禍でファンと交流する機会が減っているが「『タンブリング』は生で見てもらえるので、そこでしっかり伝えられるものがあればなって思っています」と前向きに笑顔を見せた。

事務所に入ったころは、レッスンで怒られてばかりだった。「何が出来ていないかも分からないし、何を怒られているかも分からない。何も分からない状態」。

その後の経験1つ1つが自信につながった。戦隊ものは「役者としての成長が大きかったです。カメラ前でお芝居するっていうのを毎日、それを1年もやったっていうのは。めちゃめちゃでかかったですね」と振り返った。

「恋とオオカミ-」では、若者世代から認知度がアップした。インスタグラムのフォロワーが10万人以上増えて15万人を超えた。恋愛リアリティーショーへの出演は恥ずかしさから、ためらいもあったが、途中からは家族にも積極的に見てほしいと思えるほどになった。「(カメラの前で)今までは言えなかったことをポロって言えるようになった。成長したなって思います」と実感を口にした。

最近、「顔つきが変わったね」と言われることが増えたという。あまり自信はないと謙遜するが、注目作への出演を経て「少しずつ自信はついてきたのかな…自信持つことは大事っていろんな人から言われました。たまに自信をなくしそうになった時はジュノンの時の気持ちを思い出したりしています」。

まだ22歳。今後に期待がかかる。「せっかくこの芸能界っていうところに入れたんだから、思いっきり楽しみたい。この仕事で生きていきたい」。続けて「“登竜門俳優”として、かっこいい姿をこれからもファンの皆様に届けていきたいなと思っています」と、さらなる飛躍を誓った。【佐藤成】

 

◆綱啓永(つな・けいと)1998年(平10)12月24日、千葉県生まれ。18年TBS系ドラマ「文学処女」で俳優デビュー。20年舞台「エグ女」、TBS系ドラマ「ホームルーム」、今年1月期のテレビ朝日系ドラマ「遺留捜査」などに出演。映画「ショコラの魔法」が6月18日公開予定。趣味スノーボード、ギター、サックス。175センチ。血液型O。