TBS系連続ドラマ「ドラゴン桜」(日曜午後9時)で、早瀬菜緒役を演じる女優南沙良(さら=18)は「新鮮」の連続のようだ。

民放連ドラ初出演、明るいイマドキ女子役、同世代の共演者たち…。口癖の「ウケるー」とサラスマイルを振りまきながら、視聴者への認知度だけでなく、女優としての経験値もぐんぐん伸ばしている。

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阿部寛演じる桜木が菜緒たちを東大合格へ導くクラス「東大専科」の生徒は個性的だ。南は「同世代の方とガッツリお芝居するってあまりなかったので、新鮮です」と、“学園生活”を楽しんでいる。

瀬戸輝役の高橋海人(22=King&Prince)とは共通の趣味のゲームが話題に。「モンハンがお好き。このゲームいいよとか(言ってくれる)」。

岩崎楓役の平手友梨奈(19)については「すごくかわいらしい方だなって。ギャップがありますね」。普段交わす会話は「くだらない話です(笑い)。ちゃんと寝られたとか、ご飯食べたとか」。リアルな同級生のように接している。

天野晃一郎役の加藤清史郎(19)とは映画「太陽は動かない」で共演。1歳上だが「すごいお兄ちゃん」と厚い信頼を寄せる。“兄”もいれば“姉”もいる。秀才の小杉麻里役、志田彩良(21)は3歳上。「さらちゃんは名前が一緒なんですよ。(呼び名は)私がみーちゃん、志田さんがさらちゃんになったんです。優しいお姉ちゃんって感じ」。

そんな専科をまとめる弁護士として教壇に立つ長澤まさみ(33)は、南たちにとって本当に“優しい先生”のような存在という。「長澤さんもすごく優しい方ですね。(ドラマと)結構そのまんまかもしれない。待ち時間でも、生徒達が話していると、中に入ってきてくださったりします」。6日放送の7話では、菜緒をめぐるドラマも予告されている。「生徒1人1人に深いストーリーがあって。そこに桜木先生が向き合ってくれるのか、私自身楽しみ」と、展開を期待した。

イマドキ女子の菜緒とは「正反対」と自分を表する南。性格だけでなく、劇中のぬいぐるみだらけの部屋も「すごいですよね」と笑い、自分の部屋は「全然(モノが)無い。シンプルな感じです」。唯一似ているのは、母親役の森口瑶子(54)。実際の親子のように似た雰囲気が話題となり、南本人も「自分でも、あ、(自分の母親と)似ているなって思いました」と笑顔で認めた。自分自身と対照的な役は、女優としてプラスに働いているようだ。「今回の役も…今まで明るくない役が多くて、それ以外の役を、自分とは正反対の役を挑戦してみたいなって思っていたので、いいきっかけです」。

ドラゴン桜といえば、南が憧れ、同じ「nicola」専属モデル、同じ6月11日が誕生日の新垣結衣(32)がブレークした道でもある。先輩が演じた舞台を踏むことは「光栄だなと思います」。その上で、今後の女優像は「具体的な方、というより、いろんな表現というか、お芝居の幅を広げられる人になれたらいいなって思います。やらせていただける役なら、なんでもやりたいです」。ひとりの女優、南沙良として先へ進む決意をみなぎらせた。

来年度はその新垣も出演するNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」出演も決定している。

「大河は憧れていたもののひとつなので、精いっぱいがんばれたらいいなと思います」と力を込めた。演じる役は大泉洋演じる源頼朝の娘、大姫。父のパワーゲームに巻き込まれ悲運の道をたどったとされる。難役だが、南にとって、菜緒よりは自分自身に近い性格。「そうですね、できそうですね。安心して」。この時ばかりは、少しリラックスした、18歳の少女の笑顔になった。