中村又五郎(65)市川高麗蔵(63)が16日、都内で、「7月歌舞伎鑑賞教室」(同3~27日、東京・国立劇場)で上演する「義経千本桜 河連法眼館の場」に関する取材会を行った。

「四の切(しのきり)」の通称で知られる名場面で、親を思う子ぎつねの気持ちが感動的に描かれる。

又五郎は、源九郎狐と佐藤忠信の2役を演じる。「富十郎のお兄さんと播磨屋のお兄さんにお稽古していただいたことを、いちから思い出しながらつとめたい」と、故中村富十郎さん、中村吉右衛門から教えを大事にしたいとした。

源九郎狐は、体力も必要とされる役だが、又五郎は「体力的にもたなかったら、私と似てる種之助を出しちゃおう」と笑わせた。

静御前を演じる高麗蔵は「魅力的でみずみずしい女性。みずみずしさを失わないよう、ビタミンでも取りながら備えたい」。

初めて歌舞伎に触れる学生に向けた鑑賞教室は、国立劇場で1967年(昭42)に始まり、今回で100回目を迎える。

又五郎は「初めて見てもらう、体験してもらうことがとても大事。大人になった時、1回くらい歌舞伎を見たことがある、という人が増えるとうれしい」、高麗蔵も「100回続けてきた意味はすごくある」と語った。