俳優山田孝之(37)と俳優佐藤二朗(52)が19日、都内で行われた映画「はるヲうるひと」の舞台あいさつに出席した。

主演の山田が「本日はお足元の悪い中、『はるヲうるひと』を選んでいただきありがとうございます」とあいさつすると、原作・脚本・監督を務めた佐藤が「『るろうに剣心』とか、違うやつの言わなくてよかったよ」と安堵(あんど)した。2人は既に何度か同作の舞台あいさつやイベントに出席しており、山田は「脱ぎますか。脱げばさすがに盛り上がる」と提案。佐藤から「脱ぐなら君だろう、『全裸監督』」と返され、「いや、それは見飽きているんで、二朗さんが…」と押し付け合い、笑いを誘っていた。

この日はSNSにあがっている映画の感想ツイートなどを紹介した。山田からのリクエストで、佐藤が老眼鏡をかけて「天才だよ、佐藤二朗」という感想を自ら読み上げると、「はっは。うれしいな佐藤二朗!」と喜んでいた。

撮影中のエピソードを聞かれ、山田は「この作品でなんとかアカデミー賞に呼ばれないかと思って。アカデミーに呼ばれる芝居ってどうなんだろうなと思って、ふつう俺はこうだけど、アカデミーに呼ばれるのはこの角度かな、と思ってやりました」とジョークを飛ばした。「一度も呼ばれないので。傾向と対策ってあると思う。そろそろ本腰入れて狙いにいかないと」と続けて、佐藤は苦笑いしていた。

一方、佐藤は物語の背景や山田の演技について熱弁しているうちに、感極まりそうになり「いかん、いかん」と首を横に振った。山田から「落ち着いてください」と制されると、「この前、『土曜スタジオパーク』で(主演ドラマ)『ひきこもり先生』の話をしてたら、泣いてるんだよ。しょっちゅう泣いていると、(涙の)価値が下がるでしょ」と照れ笑い。山田から「自分の涙もちゃんとプロデュースしている。価値を下げないように、小出しにしないってことですね。さすがです」とイジられると、「なんでそんなやらしいこと言うの!」と返して、笑いを誘った。

さらに「最近ついたウソはありますか」と質問を受けると、山田は「親が真面目だったからウソだけはつくなと言われて生きてきたんで」と切り出した。佐藤から「君、今日8割方ウソを言ってるよ」とツッコまれたが、山田は動じず「そういう真面目なところで、多分賞に呼ばれないので。そこだな。僕の足かせになっているのは。ちゃんとウソとかついて、人を楽しませるような人にならなきゃいけない」と淡々と続けた。

山田は唐突に「二朗さん、車の話はしなくていいんですか? この映画でもうかって、カウンタック買ったって。黄色の」と質問し、佐藤は「見たこともないわ!」と全否定。さらに山田が「あれ、時計外したんですか? さっき両腕にロレックスしていたから…」と尋ねると、佐藤は「やめろ! お前ウソばっかり言っているじゃないか!」とツッコまれ、爆笑を誘っていた。

観客へのメッセージを求められた山田は「なんとしてでも、日本アカデミー賞に呼ばれたい。そのためには、みなさんの口コミで。私をアカデミーに連れていって。呼ばれるのであれば、1人1000円くらいは渡します!」と言いたい放題。佐藤は「誰か止めろこいつを!」と叫び、最後まで客席は笑いに包まれていた。