俳優赤井英和(61)と上西雄大(56)が23日、都内でW主演映画「ねばぎば 新世界」(上西雄大監督、7月10日公開)の完成披露舞台あいさつに登場した。

大阪新世界、西成を舞台に個性と人情がぶつかり合う痛快アクション。かつてヤクザの組をつぶして回っていた勝吉(赤井)が弟分のコオロギ(上西)とコンビを組んで恩師の娘を助けるために立ち上がる。

一昨年に撮影され、昨年に公開される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっていた。

赤井は「やっと公開にこぎつけました。頭が悪いんで、せりふ覚えが悪いんです。でも、普通のせりふはここから出てくるけど」と喉を指してから、「勝吉には腹からの言葉がある」とおなかを押さえた。

印象に残ったシーンを聞かれると「自分のところなんですが、コオロギに向かって『お前のこと弟と思うてんやねん』というせりふにジーンと来た」と振り返った。

監督も務める上西は「憧れの赤井さんとバディーになれました。努力していれば報われることを実感しています。関西人なので赤井さんに憧れて(89年の赤井のデビュー作の)映画『どついたるねん』を何回も見ました。赤井さんはNGゼロ。まさにプロでした」と笑顔を見せた。そして「赤井さんの人間的な魅力を真ん中に置いて、昭和のあのにおいを感じさせる作品をと思って撮りました」と話した。

共演の徳竹未夏(39)は「赤井さんが優しくて、荷物を持ってくれようとする。『やめてください』と全力で止めました」と笑った。

古川藍(34)は「ボクシングをやるシーンがあるんですが、直々にフォームを教えてもらったのはうれしかった。貴重な経験をさせてもらいました」と、俳優転向前に“浪花のロッキー”としてプロボクサーとして活躍した赤井からの指導を明かすと、赤井は「うん、ちゃんと手取り足取りね。足はとらんでいいか」と笑った。

撮影は大阪・飛田新地にある赤井の実家でもロケが行われた。赤井は「実家は飛田新地の遊郭を買い取って、漬物屋の店にしたんです。隣も向かいも商売やっていた、人情味あふれる町です」。古川は「まさか、赤井さんの実家で撮影させてもらえるとか。たくさんのポスター、トロフィーがありました」。徳竹は「玄関入ったら、赤井さんの大きな写真がありました」と振り返った。

赤井は「主演映画は15年ぶりですが、実家をロケに使ったのはデビュー作の『どついたるねん』以来30年ぶり以上です」。上西は「赤井さんが『どついたるねん』以来初めてサンドバッグをたたくシーンもあります」と話した。