お笑いコンビ、品川庄司の品川ヒロシ監督(49)が17日、都内で、6年ぶりに手掛けた長編監督作品「リスタート」の公開記念舞台あいさつに、主演を務めた男女フォークデュオHONEBONEのボーカルEMILY(30)や劇団EXILEのSWAY(35)らとともに出席した。

北海道・下川町と吉本興業がSDGs推進における連携協定を結び発足したプロジェクトから生まれた作品。クラウドファンディングで撮影のための資金を調達したシンガー・ソングライターを目指し上京した主人公が、地下アイドルとして活動もスキャンダルに巻き込まれたことで故郷に戻る。失意のため1人で殻に閉じこもるが、豊かな自然や仲間、家族の存在によって前をむき始める物語。

マスコミを呼び込まずに行った前日の初日舞台あいさつで号泣したという品川監督は、「泣くならマスコミ入っている時の方がよかったと後悔しております」と笑わせつつ「この映画にかけている演者もいたので、クラウドファンディングの支援をしてくれた人も待っていてくれたので、この日を迎えられて本当にうれしいです」と改めて公開を喜んだ。

コロナ禍での公開となったが、「コロナで良いことなんて何一つないんですけど、厳しい状況の中で、この映画をみて、仲間とか家族とか捨てたもんじゃないなって背中を押せたら良いなと思います」と作品に込めたメッセージを語った。

終盤、HONEBONEが主題歌「リスタート」を披露。感情こめて演奏するKAWAGUCHIのギターの音色とEMILYの力強い歌声が会場に響き渡り、涙を流す観客もみられた。

最後にコメントを求められた品川監督は、「改めてHONEBONEの曲を聞くと、胸に刺さるものがあるし、KAWAGUCHI君が演奏しているのをみると…」と感極まって言葉に詰まった。なんとか「北海道で、一緒に…」と話し始め「一緒に寝ずに撮ってくれたスタッフとかを、(KAWAGUCHIが)裏方で支えてくれたというか、KAWAGUCHI君も表方なんだけど。現場に来て一緒にいたりギター弾いたりしてくれたKAWAGUCHI君が背負ってくれている気がして…すみません…」と涙腺が崩壊した。EMILYもつられて涙を流し、会場から大きな拍手が送られた。

品川監督は、「やった! 泣けたー! マスコミの前で泣けたー!」と笑わせ「こういう時に刺さる映画でもあると思うので、一緒に作ってくれたスタッフのもとに吉報を届けたい」と感慨深く呼び掛けた。