東京オリンピックで、女子柔道48キロ級渡名喜風南(25=パーク24)が24日、銀メダルを獲得した。今大会の日本選手団初のメダル獲得で、日本勢として夏冬通算500個目の記念すべきメダルとなった。

決勝の模様はNHKで放送された。渡名喜は金メダル獲得を逃す形にはなったが、実況を担当したフジテレビの竹下陽平アナウンサーは「準決勝では大きな山を越えましたが、目標の金メダルにはあと一歩届きませんでした」と声に悔しさをにじませつつ「しかし、初出場、一年延期という苦しい時間を乗り越えて、たどり着いた東京オリンピック。渡名喜がその重圧を跳ね除けて、銀メダル獲得です」とその偉業達成を伝えた。

渡名喜は、格闘家のような五輪仕様の刈り上げヘアで、準々決勝で16年リオデジャネイロ五輪金メダルのパレト(アルゼンチン)に腕ひしぎ十字固めで一本勝ちするなど好調な滑り出しをみせていた。

17年世界選手権を制してから勝ちきれない時期が続き、「安定感」を求めて心技体を磨いた。18、19年世界女王で身長172センチのビロディド(ウクライナ)対策も入念に準備し、勝負どころでの組み手さばきを強化。コロナ禍以降は、投げられないように体幹も鍛えて総合力を上げた。準決勝ではそのビロディドを延長の末に破って決勝に駒を進めていた。

◆渡名喜風南(となき・ふうな)1995年(平7)8月1日、神奈川県生まれ。9歳で競技を始める。東京・修徳高-帝京大-パーク24。17年世界選手権優勝、同ワールドマスターズ大会優勝。18、19年世界選手権2位。左組み。得意技は小外刈り。世界ランク3位。勝負めしはお汁粉。趣味は読書。148センチ。