日本テレビが26日、東京・汐留の同局で、社長定例会見を行った。

3月12日に、同局系「スッキリ」(月~金曜午前8時)でアイヌ民族への不適切な表現を放送したことに、放送倫理・番組向上機構(BPO)が放送倫理違反があったと判断を下したことについて、杉山美邦新社長が「アイヌ民族のみなさま、及び関係者のみなさまに心からおわびしたいと思います」と改めて謝罪。

続けて「日本テレビは、今回のBPOの意見を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組制作に行かし、再発防止の徹底に努めて参ります。テレビ局、放送機関として、日本テレビは、人権の重視を掲げておいています。こうしたテレビ局にとっては起こしてはならない事案でありました。これについては、痛恨の極みでございます。再発防止に全力を挙げていきたいと思います」と誓った。

BPOは21日、公式サイト上で、「審議の結果、本件放送はアイヌ民族に対する明らかな差別表現を含んだもので、オンエアに至った背景には、収録動画の最終チェック体制が極めて甘く、アイヌ民族やその差別問題に関する基本的知識がスタッフ間で決定的に不足していた点があったことを指摘し、日本民間放送連盟の『放送基準』の『(5)人種・性別・職業・境遇・信条などによって取り扱いを差別しない』『(10)人種・民族・国民に関することを取り扱う時は、その感情を尊重しなければならない』などに反しているとして、放送倫理違反があったと判断した」と意見書を出していた。

これを受けて同局は「BPOの意見を真摯に受け止め、今後の番組制作にいかし、再発防止に努めてまいります」とコメントしていた。

問題となったのは、動画配信サービスの作品紹介コーナー。番組マスコットキャラクターの着ぐるみを着た、お笑い芸人脳みそ夫(41)が、アイヌ女性のドキュメンタリー作品「Future is MINE-アイヌ、私の声-」を紹介した際に差別的な言い回しを含む謎かけを行った。

その後、同局は番組内などで謝罪した。