藤間爽子(27)が、日本テレビ系で放送中の「ボイス2 110緊急指令室」(土曜午後10時)で、連続ドラマのレギュラー出演に初挑戦している。港東署の緊急指令室「ECU」に配属されたばかりの新人警察官・小松知里を初々しく演じる中、第3、4話では元交際相手のDVを乗り越え、事件を解決する姿を力強く演じた。

一方で、09年に亡くなった祖母藤間紫さんの名跡を継いで2月に襲名した、日本舞踊の紫派藤間流3代目家元としての活動も並行している。充実の日々を送る藤間に、今の思いを聞いた。

1回目は“初体験”の連ドラレギュラーを務める中で知った、女優の新たな面白み。【取材・構成=村上幸将】

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藤間は6歳で日本舞踊を始め、18歳で名取となった。青学大3年だった15年に女優を志し、17年にNHK連続テレビ小説「ひよっこ」で女優デビュー。翌18年に舞台「半神」で主演を勝ち取り、劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」に入団するなど、舞台を中心に活動してきた。

ドラマは「ひよっこ」のほか、17年のNHK「精霊の守り人3 最終章」、19年の同BS時代劇「大富豪同心」と、2月にWOWOWで放送された「あんのリリック」に出演してきたが、いずれも単発での出演だけに“初体験”の連ドラレギュラーに、最初は緊張したという。

「やっぱり緊張して…どういう現場か、分からないじゃないですか? でも(『ボイス』は)1があって2があるから空気感、雰囲気が自然と出来上がっていて、すぐになじむことが出来た。1人だったら緊張しますけど、宮本茉由さんをはじめ、同年代の子も何人かいまして、和気あいあいと撮影しています。ずっとスタジオで同じセットなので話す機会も多いです」

これまで感じたことのない面白みを感じているという。

「舞台や舞踊は、終わりがある状態でやるけれど(連ドラは)台本が来ないと、どういう結末を迎えるのか分からない。終わりが分からないまま、やっていく。やっている本人ですら、まだ、ちょっと見えないのが、やっていて楽しいですよね。もしかしたら、自分が今度、死ぬんじゃないか? とか…分からないから、ある意味、新鮮に演じられますよね。後が分かって演じているのと、分からないで演じているのとでは、ちょっとドキドキが違うというか」

演じる知里は新人で、主演の唐沢寿明(58)演じる敏腕刑事・樋口彰吾と、真木よう子(38)演じる、どんなかすかな音でも聞き分けることができるボイスプロファイラー(声紋分析官)橘ひかりの下で働く。立場の弱い人々を助けたいという正義感から警察官を志し、小柄で一見おとなしく見えるが常に冷静で肝が座っているという役どころだ。

「基本、スタジオで緊急司令室にずっといて事件の対応をするので、割と仕事をやっているところをメインに撮ることが多いんです。ドラマの現場においても新人なので、演じなくとも新人っぽくなっちゃうと思います(笑い)」

警察官役は、舞台を含め、縁がなかったという。

「警察官の格好をするとは思わなかったですね。最初、コスプレみたいになったら嫌だと思ったんですけど…今、着ていて結構、しっくりきていますよ。新人感は、強いですけどね。宮本さんは美しいし、モデル体形だけど…私は、どこにでもいそうですから(笑い)。でも…全然、今までとは違う、一面を見ていただけるんじゃないかと思っています」

次回は、激しいDVシーンを、体を張って演じた女優としてのプライドと女性としての思い。