米俳優ジョニー・デップ(58)が、英サンデー・タイムズ紙とのインタビューで「ハリウッドからボイコットされている」と語った。

元妻で女優のアンバー・ハードに対する家庭内暴力(DV)疑惑をめぐる名誉毀損(きそん)裁判で昨年11月に敗訴してから初めてとなるインタビューで、主演映画「MINAMATAーミナマター」(日本公開9月23日)が米国で公開されない理由は自身のDV騒動の影響だと推察した。同作は日本で実際に起きた公害病のミナマタ病を題材にした作品で、デップはその実態を取材する米国人写真家を演じている。メガホンを取ったアンドリュー・レヴィタス監督も米国の公開が決まらないのは、デップが主演しているからだとの見解を示していた。

デップは2015年に結婚したハードからDVを告発されて離婚を申請されたことを受け、「DV夫」と報じた英サン紙を名誉毀損(きそん)で訴えていた裁判で敗訴したことで、映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズの新作から降板するなど仕事を干された状態が続いている。当初は2月に全米公開される予定だった「MINAMATAーミナマター」の公開が白紙になったことについて、「彼ら(水俣病の影響を受けた人たち)の目を見て、この作品が搾取的にならないと約束した。僕たちは約束を守ったと信じている。ハリウッドが僕をボイコットしたからといって、映画を公開しない理由にはならない。ここ数年、不快で面倒な状況にある1人の男のため? 1人の俳優のために?(公開を)実現させるために必要なことをしている。このことを明るみにするために」と語っている。

DVは事実無根だと主張しているデップは、告発によって名誉を傷つけられたとしてハードに対して5000万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)