NHK大阪放送局は27日、来年秋スタートの22年後期連続テレビ小説「舞いあがれ!」を発表した。通算107作目の朝ドラは、パイロットへあこがれ、夢を追うヒロインを描く。同局によると、ヒロインはオーディションを経て、年内に発表予定といい、来年春にドラマ舞台の大阪府東大阪と、長崎・五島列島などでロケを予定している。

今作のヒロイン・舞は東大阪で町工場を営む父、母のもとに生まれ、兄との4人暮らしで育った。祖母の住む五島列島を訪ね、広がる空に感銘を受け、空へのあこがれを抱き、パイロットを志していく。

ドラマは、オリジナル作品で、モデルとなった人物はなし。作者の桑原亮子さんは、13年に第41回創作ラジオドラマ大賞奨励賞、14年に第53回BKラジオドラマ脚本賞で最優秀賞を受賞し、脚本家として活動を始めた新進作家が抜てきされた。

桑原さんは、ある飛行士から「パイロットは飛行機に乗る前、空を見上げて天候などをチェックします。必要に迫られて空を見上げているうちに、いつの間にか元気が出てくる。だからいい仕事だ」と聞いたことがあり、今作のストーリーを着想したとコメントした。

また、制作統括の熊野律時(のりとき、47)氏は「コロナ禍や、さまざまな災害に見舞われている今、どんな物語を作っていくのか」を、桑原さんと内容について話し合った経緯を説明。空を飛ぶヒロインを桑原さんから提案され「空を飛ぶには向かい風が必要。いろいろな人生の逆風を受けながら、高く飛ぼうとするイメージがぱっと浮かびました」と考え、ドラマの大筋を決めたという。

新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しがなかなか見えず、世の中は閉塞(へいそく)感に包まれる。熊野氏は「空を見上げて夢を抱き続けるヒロインの姿を通して、毎朝明るい気持ちになれるドラマにしたい」とコメントしている。