「風と木の詩」などの作品で知られる漫画家の竹宮恵子さん(71)が7日までにブログを更新し、かつて自身のプロダクションでプロデューサー兼ディレクターを務め、「変奏曲」シリーズなどの原作を担当した漫画原作者で小説家の増山法恵さんが6月に亡くなっていたことを明かした。

竹宮さんは「増山さんが亡くなったこと」のタイトルで、「このことをいったいいつ、どんな形でオープンにすべきかがわからず、しばらくどうしたらいいかと躊躇していた。自然に伝わっていくのがいいと思ったけれど、どうしても私のところに問い合わせが来るので、3か月以上も時が経ってしまったけれど、ここで私からお知らせしようと思う」と書き出し、「それは、あまりに突然だった。6月30日の夜から朝にかけての時間に亡くなっていたとの電話。30日夕方まで、ヘルパーさんに食事を作ってもらい、談笑して別れたのにとヘルパーさんもたいそう驚いていたようだ。次の日は在宅医師訪問の日だったので、お医者さんによって死亡が判明した。住んでいる場所がいちばん近く、長く彼女を世話してくれていた友人に報せが来て、私のところへすぐに電話してくれたのだった」と説明した。

竹宮さんは増山さんと、亡くなる数日前に、新型コロナウイルスワクチンの1回目接種について電話で話したばかりだったという。死因については「彼女の持病はたくさんあって、いったい何が引き鉄になったのか、全くわからない」とし、「気管支専門の病院に定期検診に通って調子を見てもらっていたし、喘息に関してもずいぶん発作がないと聞いてもいた。主治医から在宅医療チームを勧められ、殆ど1日おきに介護人が入る。最近はそのリズムにも慣れてきていた」という。

また、電話で話した際の増山さんの様子について、「ワクチン1回め接種について話した際にも、『早くワクチン完了して、買い物に行きたい!』と期待していたのに」と振り返り、「病状が落ち着いていたこともあって、在宅医にとっても突然死は意外なことだったようだと聞いた」とした。

「彼女の亡くなり方を聞いて、苦しんだりしたようでなかったのが何より『よかった』と思えた」と竹宮さん。「また、会おうね。あなたと会わなければ今の私はいない。たくさんの知識、たくさんの楽しみをありがとう」と感謝の言葉をつづった。