舞台「千と千尋の神隠し」(来年3月2日から、帝国劇場)の制作発表会見が9日、都内で行われ、ダブル主演で千尋役を演じる橋本環奈(22)、上白石萌音(23)ら主要キャストが意気込みを語った。

初舞台が帝劇での主演という本田美奈子.さん以来の挑戦となる橋本は「初めて緊張というものを感じている。心の準備が整わない」と笑い、「右も左も、上も下も分からない状態ですが、萌音ちゃんがいつも誘導して支えてくれている。萌音ちゃんについていきつつ、皆さんのことを引っ張っていける存在に変わっていけたら」。

上白石は「7歳の時に初めて見た大好きな映画。子ども心に、恐ろしさと引きこまれるものを感じておいおい泣いた。自分が演じることになった巡り合わせをありがたく感じている。千尋のように勇敢に演じたい」と話した。

舞台では、10歳の少女を演じることになる。上白石は「この作品は10歳だから成立していると思う。めちゃくちゃ子どもだったり、びっくりするほど大人びている時もあったりという不安定な年齢。子どもならではの直感が働いたり、何も疑わず信じられたり、大人顔負けの考えをしたり」。自身の中の子どもらしさについて「10歳の純粋さは失った部分が多い」と笑いながら「この身長は強みかな。152センチの10歳ってけっこういると思う。千尋と同じ高さで世界を見ることができる」とした。

橋本は、「小学生のころから『貫禄がある』『おじさんっぽい』と言われて、子どもらしさがないのが悩みのひとつだった」とし、10歳の少女を演じることに「自分と真逆だからできるのかも」と自信をみせた。千尋との共通点を聞かれると「千尋より私の方がずぶとすぎる気がする。今のところ、似ているところはない」と笑顔で話した。

上白石の印象について、橋本は「優しい音色を出される方と思っていましたが、本当にこのまま、裏表のない方。大人びているのに純粋。気配りとか、内面から出るものだと思う。世代が一緒で、一緒にいると安心する」。上白石は、橋本について「初舞台で帝劇で主演で、私なら足がガクガクになりそうなのに、環奈ちゃんは楽しんでいる。いろんな作品で真ん中で引っ張ってきた人。若い人たちの先頭を切っていってくれる勇ましさがある。この相方だったらすべてを委ねられる安心感がある」と語った。

この日は、ハク役の醍醐虎汰朗、三浦宏規、カオナシ役の菅原小春、辻本知彦、リン役の咲妃みゆ、妃海ふう、釜爺役の田口トモロヲ、橋本さとし、兄役・千尋の父役の大澄賢也、湯婆婆役の夏木マリ、朴■(王ヘンに路)美、演出のジョン・ケアード氏、演出補佐の今井麻緒子氏、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも登壇した。