生田斗真(37)が来年公開の映画「渇水」(高橋正弥監督)に主演することが23日、分かった。

河林満氏が90年に発表した小説を原作に、映画監督の白石和彌氏が初めて企画プロデュースを担当し初映画化となった。生田は、水道料金を滞納する家庭の水を止める業務「停水執行」に就く水道局職員、岩切俊作を演じる。妻や子供と別居し、心の渇きにもがく中で、育児放棄を受ける幼い姉妹との出会いから、ささやかな幸せを求めて本当の自分を取り戻してゆく役どころを演じる。

今年8月から9月にかけて、群馬・前橋市で撮影した。生田は「空気や太陽の光はタダなのに、どうして水はタダじゃないんだと、世の不条理に疑問を持ち始める主人公に少しの希望とかすかな光を与えることができたら、という思いで精いっぱい演じました」と振り返った。「多くの事がシステム化され、疑問を持たずに波風を立てずに日々を過ごすことが上手な生き方なのかもしれません。ただ、なにか違う。このままでいいのかとふと立ち止まり、自分を見つめ直すことも悪くない。そう思わせてくれる作品です。公開を楽しみにしていてください」とアピールした。

また白石氏については「多くの名作を残し続けている白石さんが、どのようにして別の視点から物語を創り出すのか、非常に興味を持ちました。映画の現場が好きで、日々を面白く生きているユーモラスな方です」とコメントした。