演歌歌手坂本冬美(54)のヒット曲「夜桜お七」のアナログ盤を2月23日に発売することが12日、分かった。1994年(平6)9月にCD発売され、わずか1カ月で30万枚を超えたヒット曲は、昨年の紅白でも歌唱された代表作の1つ。それが約27年半の時を超えてレコードとしてよみがえる。

紅白のステージでは坂本のバックで3Dの大型映像が流れ、大型LEDが投影された映像美のインパクトが大きな話題を呼んだ。ツイッターでも「驚いた」などの声が殺到。「夜桜お七」は、演歌になじみのない若い世代の人たちさえ、大いに楽しませた1曲だった。

坂本は「昨年はデビュー35周年の記念の年。そこで私にとって代名詞といえる『夜桜お七』を歌唱できたことは素直にうれしかった」と33回目となった紅白のステージを振り返った。そして、今回のアナログ盤発売について「約28年の時を越えて発売されます。長い間、皆様に愛されたあかしではないかと、とっても感激しております。デジタルとは一味違ったサウンドで、ぜひお楽しみください」とアピールする。

ジャケット写真は当時27歳だった坂本のアナログデータをデジタル化して、当時の美しさを再現した。

昨年は35周年メモリアルイヤーながら、コロナ禍で記念公演やコンサートを思うように開催できなかった。「今年こそはファンの皆さんと存分にお会いしたいです」。昭和から平成、令和と3時代を駆け抜け、日本を代表する歌姫に成長した坂本が新年にかけている。

◆アナログレコード 主にポリ塩化ビニールの円盤両面に音声などの振動を刻み込む記録媒体。溝に針を接触させることで音が再生される。種類は創生期のSP(スタンダード・プレー、78回転)、LP(ロング・プレー、331/3回転)、EP(エキストラ・プレー、45回転)など。ジュークボックスの自動再生用に開発されたのが一般的なシングルレコード(45回転、収録5~8分)で、ドーナツ盤ともいう。回転とは1分間の回転数。