元AKB48、NGT48の北原里英(30)が15日、東京・神田神保町の岩波ホールで、日中合作映画「安魂」(日向寺太郎監督)の舞台あいさつに登壇した。

ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した「香魂女-湖に生きる」(シェ・フェイ監督)の原作者でもある周大新(チョウ・ターシン)の同名原作を映画化。「大切な人に先立たれた人々の心の再生」を冨川元文氏が脚本で大胆にアレンジし、息子とうり二つの青年との出会いを通し、主人公・唐大道とその家族が生きていく力を取り戻していく姿を描いた。

北原は、日本人留学生役を演じた。撮影はコロナ禍の前に終えていたといい、公開までの期間を振り返りながら、「なんとか今日公開日を迎えることができ、とてもうれしく思います」と感慨深げに話した。

北原は同作の出演者で、唯一の日本人キャスト。オファー時を「あんなにも出番があると思わなかった。想像よりもセリフが多くて大変だったんですけど、やりがいのある役でした」と振り返った。

劇中のせりふはすべて中国語だったという。この日も「みなさんに会えてうれしいです」と中国語で流ちょうに呼びかけ、会場を沸かせた。

舞台あいさつが行われた岩波ホールは、7月29日をもって閉館することが発表された。74年から世界65カ国、271作品を上映してきた歴史ある場所に、日向寺監督は「とてもお世話になった岩波ホールが閉館するというニュースが数日前に飛び込んできて、悲しく、とても複雑な気持ちで初日を迎えました」と話し「岩波ホールの54年の歴史を、映画とともに味わっていただけたらうれしく思います」と力を込めた。