鹿賀丈史(71)市村正親(72)が25日、都内で行われたミュージカル「ラ・カージュ・オ・フォール」(3月8日開幕、東京・日生劇場)の制作発表記念会見に登壇した。

南フランスのナイトクラブを舞台に、ゲイカップルの夫婦愛と1人息子への愛情をめぐって巻き起こる騒動が描かれる。85年に日本で初演され、08年からはゲイクラブのオーナー・ジョルジュを鹿賀が、看板スターの“ザザ”ことアルバンを市村が務め、5度目となる夫婦役を演じる。

作品に出会い14年という鹿賀は「自分自身、良い年になりました。愛や、他人を思いやる気持ちがふんだんにちりばめられた素晴らしいミュージカルになっていると思います」と自信たっぷりに話した。

市村は「この作品に出会ったのが44、45歳の頃。かれこれあと2、3年で30年。年がたつというのは役をもっともっとリアルにしてくれるなと思います」としみじみ。鹿賀との5度目の夫婦役には「運命的なものを感じる」とし「30年前じゃ出せなかったような、より、ザザに近いザザができるんじゃないかな、と思って、今はほんとうに期待で胸が膨らんでいるところです」と声を弾ませた。

2人は劇団四季時代からの盟友。所属事務所も同じだ。鹿賀は市村の“役者”としての魅力を「芸の幅が非常に広い。舞台ならではの押し出しがすごく強くて、的を外さない。そういう役者だと思っています」と尊敬のまなざしを向けた。

一方の市村も、鹿賀について「最初から憧れの存在だった」と明かし、「四季時代から、常にセンターに立っていた。僕はいつもその横でコバエのようにブンブンブンブン言いながら、生きてきた。そんな男が、なんとか丈史と夫婦になって、最近ではダブルキャストで同じ役をやったりとかね。市村もずいぶん頑張ったなって…」と感慨深げに話した。