27日に米ロサンゼルスで開催された第94回アカデミー賞授賞式で、妻への非礼な発言に激高してコメディアンのクリス・ロック(57)を平手打ちした俳優ウィル・スミス(53)が、会場から出ていくよう促されたが拒否していたことが明らかになった。

主催する米映画芸術科学アカデミーが30日、「スミス氏は退場を求められたにも関わらず拒否したことを明確にしたいと思いますが、別の対応が可能だったことも認識しています」と声明を発表した。

世界中で生中継されている最中に起きた前代未聞のビンタ騒動後もスミスは最前列の席にとどまり続け、40分後に主演男優賞を受賞して登壇したことに「なぜ即座に退場させなかったのか」と同アカデミーの対応を疑問視する声が上がっていた。

アカデミーはこの日、理事会を開いて条例や行動規範、カリフォルニア州法に従ってスミスに対する措置の検討を開始したことも明かした。懲戒手続きには数週間を要すると会員に説明しており、アカデミー追放を含めて厳しい処罰が下される可能性もあるとしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)