4月15日に公開予定だった、榊英雄監督の映画「ハザードランプ」の公開が中止となったことが3月31日、同作品の公式サイトで発表された。

榊監督をめぐっては3月9日、文春オンラインが、映画へのキャスティングを持ち掛け複数の女優に性的関係を強要したなどと報道。同15日の段階では「ハザードランプ」の製作委員会は、予定通り公開の方向で調整していると発表していたが、一転して公開中止となった。

公式サイトでは「この度は、映画監督の榊英雄氏に関する報道について、被害に遭われた皆様、心を痛められている全ての皆様に心からのお見舞いを申しあげます。過日、発表させていただきました通り、榊氏が監督を務めた映画『ハザードランプ』の製作委員会は、制作にかかわった多くの関係者の尽力に報いるためにも本作を公開したいという方針のもと、作品に携わった方々へのヒアリングおよび協議を継続して行ってまいりましたが、総意形成に至らなかったため、映画『ハザードランプ』の4月15日(金)の公開を中止とする決定をいたしました」と伝えた。

続けて「本作に関わったキャストやスタッフをはじめとする関係者、および制作にご協力いただいた皆様、そして映画の公開を望んでくださっているお客様には大変ご迷惑おかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます」とした。

榊監督はこの報道をめぐり、3月26日に所属事務所を契約解消となっていた。また、同25日に公開予定だった監督作の映画「蜜月」は公開をいったん中止し、今後については全て未定と発表されている。

「ハザードランプ」は、榊監督が17年「アリーキャット」に続きタッグを組んだ脚本家・清水匡氏によるオリジナル作品で、安田顕(48)と山田裕貴(31)が主演。とある事件をきっかけに、地方都市でひっそりと生きる代行ドライバー須貝(安田)が、女子中学生連れ去り事件など何かが起きる満月の夜に、一癖ある新人刈谷(山田)とタッグを組む。謎の人物ズーコ(中村中)から呼び出された須貝は、恋人の美乃梨(松本若菜)を失った3年前の事件について尋ねられる。初対面だと思っていた刈谷は、いったい何者なのか…さまざまな酔客の相手をするうちに、思いもよらずふたりの過去が交錯していく物語。