片岡愛之助(50)戸次重幸(48)が7日、東京・世田谷パブリックシアターで、初日を迎えた舞台「奇人たちの晩餐会」(19日まで)の取材会に出席した。

フランス喜劇を代表する脚本家フランシス・ヴェーベルが93年発表した作品。変わった人間を集めて一番の奇人を決める、悪趣味な裏テーマを持った夕食会を舞台に起こるコメディー。

開幕となり、愛之助は「待ってました!やっときたかという感じ。どんな反応がいただけるのか、わくわく感があります」と笑顔。せりふの応酬が見どころで、戸次は「愛之助さんが『剛速球のキャッチボール』と言われるくらいの舞台。もっと稽古がしたいくらい。でも、バッチリですよ!」と自信を見せた。

ドラマなどで共演経験はあるが、本格的に芝居を交わすのは本作が初めてという。愛之助は、バラエティーで顔を合わせた際の戸次の印象を「まじめで頭のさえた方。話も面白いし、イメージ通り何でも出来る方」と褒めた。戸次は、愛之助とゲームアプリ「ドラゴンクエストウォーク」で意気投合した過去を振り返りつつ、「今、レベルいくつですか? と勇んで聞いたら『やめちゃった』と」とがっかりした様子。“仲間割れ”はしっかり否定し「同じ板の上に立つ者として、絆が生まれました」と稽古の充実ぶりを語った。

愛之助の人柄については「声を荒らげるところが想像できない。優しいお人柄で、『好きだ』と言う人の気持ちが分かる。奥様の気持ちが分かります」と笑わせた。

愛之助は変わり者のフランソワ、戸次は悪趣味を持つピエールを演じる。役柄との共通点については「気が回らないタイプ。回そうとすると、違う方に行くのが似ているかな」と愛之助。物語の冒頭からぎっくり腰に襲われる役柄の戸次は「慢性腰痛なので、ぴったりの役。ぎっくり腰になったらなったでいい」とジョークを飛ばしていた。

また、愛之助は関西大の客員教授に就任したことを5日にブログで発表したばかり。今年中には教壇に立つ意向で「歌舞伎にご縁がない方にも知っていただき、海外の方にもアピールできれば」と意気込んだ。自身は大学に進学しておらず「憧れのところでやれるわくわく感があります」と、客員教授としてのキャンパスライフに思いをはせていた。

大阪、長野、愛知、福岡でも上演する。