NHKは24日、東京・渋谷の同局で、国際放送局チーフリードの50代男性職員が、認められていないタクシー帰宅などを繰り返したとして、同日付で諭旨免職の懲戒処分としたことを発表した。日帰り旅費の電車代も虚偽の理由で請求していた。19年6月~22年1月にわたり不正は合計323回、金額は70万3728円に上った。

NHKは「受信料で支えられている公共メディアの職員として許されない行為であり、視聴者の皆さまに深くおわびいたします。再発防止に努めてまいります」とのコメントを発表した。

コンプライアンス統括の中嶋太一理事の説明によると、今年1月の内部の定期的なチェックで、本人がタクシー券に記入した利用時間とタクシー会社との時間のずれがあったことで、本来認められていない利用が発覚したという。

主に放送センターから都内の自宅までのタクシー利用を繰り返していたという。1回の利用で2000円台後半だった。また、タクシー利用を調査する過程で、日帰り旅費(交通費)の虚偽請求も判明した。架空の取材名目で、旅費を請求していたという。

内訳は、認められていない時間帯のタクシー利用が137件、37万480円、後日のタクシー代立て替え請求は68件、18万7410円、虚偽理由による日帰り旅費の請求は118件、14万5838円。

本人は全額弁済済みで「疲れていた。公私混同してしまって深く反省している」と話しているという。また、架空の取材名目で請求していた日帰り旅費は、自費で乗ったタクシー代に当てていたという。

NHKでは再発防止策として、タクシーアプリの運用拡大や、使用状況のチェックを強化し、タクシー券管理者の情報共有を徹底するとした。

チーフリードは管理職で、デスク業務を行う立場。

また、国際放送局局長を含む管理職5人が管理、監督責任を問われ、けん責、減給などの処分を受けた。