サザンオールスターズのキーボード原由子(65)が、10月19日に約31年ぶりのソロオリジナルアルバム「婦人の肖像(Portrait of a Lady)」をリリースすることが24日、分かった。25日は、サザンのデビュー44年記念日。桑田佳祐(66)が作詞・作曲した収録曲「ヤバいね愛てえ奴は」は、杉咲花(24)主演のNHK新ドラマ「プリズム」の主題歌に決定した。

サザンの紅一点でバンドの音楽的、精神的支柱の原が“ヤバい”アルバムをリリースする。オリジナルアルバムは、91年の「MOTHER」以来、31年ぶり。昨年7月に、スタジオ制作作業がスタート。アルバムのタイトルは、クリムトの絵画から着想を得て名付けられた。そして、44年の音楽キャリアを共に生き抜いてきた“戦友”であり“楽友”である桑田が、全面バックアップに加わった。

新曲10曲が収録予定で、約10年前から温めてきた楽曲も収録される。原は「昨年の夏より、今まで作り温めて来た曲のモチーフや、現在の気持ちを反映させた曲をまとめておこうとレコーディングに入りましたが、レコーディングが進む内に、曲作りや、アレンジ、そして演奏し歌う事の楽しさに改めて気づかされ、桑田からも背中を押して貰って、気づけば全10曲のアルバムとなりました」と話した。

今作のメインテーマは、新たなミュージシャン・原由子像を作ることだったという。“今の時代”と向き合い、洋楽からインスパイアを受け音楽的な実験を試みるなど、今までの原の楽曲にはない、現代社会へのメッセージが込められた楽曲も収録されている。「コロナ禍でのレコーディング、また世界情勢も変わり不安が多くなる中で、改めて幼少期よりさまざまな音楽に触れ励まされてきた事、今なお音楽活動を続けていられる事のありがたさを実感しました」と感謝した。

原のイメージを刷新する作品になりそうだ。原は「次の世代にも音楽の素晴らしさが伝わりますように、そして自由に音楽を聴ける平和な世の中が続く事を願いながら、このアルバムをお届けします。十曲十色の世界を楽しんで頂けましたら幸いです」と言葉に力を込めた。

収録曲「ヤバいね愛てえ奴は」「スローハンドに抱かれて(Oh Love!!)」の2曲は、桑田がパーソナリティーを務めるTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」(土曜午後11時)で今夜、先行オンエアされることも決定。アルバム発売4カ月前に、渾身(こんしん)の2曲がベールを脱ぐ。