ジャニーズのKinKi Kidsとシンガー・ソングライター吉田拓郎(76)の異色のタッグによる、フジテレビの伝説の音楽バラエティー番組「LOVE LOVE あいしてる」が5年ぶりに復活することが24日、分かった。7月21日に「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」(午後8時)として17年7月21日以来一夜限りの復活、最終回を迎える。吉田は、この番組が最後のテレビ出演となる。

「LOVE LOVE-」は1996年(平8)年10月から01年3月までレギュラー放送。その後、特番として放送されてきた。放送日はKinKi Kidsにとって97年7月21日に「硝子の少年」でシングルデビューして25年目に当たるアニバーサリーデーとなる。最終回の吉田の“卒業式”には、レギュラーだった篠原ともえやTHE ALFEE坂崎幸之助が出演。吉田が「最後のテレビ出演に会いたい」とオファーした超豪華ゲストも集結。最終回のために吉田とKinKi Kids、3人が初の合作に挑んだ楽曲「Sayonara あいしてる」を披露する。

96年10月にスタートして、土曜午後11時30分にレギュラー放送された「LOVE LOVE-」は、CDデビュー前のアイドルKinKi Kidsとニューミュージックの旗手・吉田の斬新な組合せで話題を呼んだ。番組オリジナルバンド「LOVE LOVE ALL STARS」を結成。吉田が作曲した番組テーマソング「全部だきしめて」をKinKi Kidsがカバーしたシングル「全部だきしめて/青の時代」は98年に発売されてミリオンセラーを記録した。

吉田は1970年(昭45)年6月1日にシングル「イメージの詩」でデビュー。ニューミュージックの旗手として72年の「結婚しようよ」「旅の宿」などヒット曲を連発して、国内初の単独全国ツアーを開催した。また、ニッポン放送「吉田拓郎のオールナイトニッポン」などで若者を中心にカリスマ的に人気を誇り、後に続く多くのアーティストに影響を与えた。

KinKi Kidsは、97年7月にシングル「硝子の少年」とアルバム「A album」を同時発売してデビュー。共にミリオンセラーを記録した。デビュー25周年の第1弾シングルとして今年3月16日に発売された最新シングルCD「高純度romance」は、「硝子の少年」から44作連続1位、及び、26年連続1位を獲得した(オリコン調べ)。日本のチャートにおいて、デビュー時から最も多く連続で1位獲得のシングル数、シングル1位獲得最多連続年数を記録して、自己のギネス世界記録を更新した。

今でこそ、作詞作曲を手掛けるKinKi Kidsの2人だが、吉田と出会うまでは楽器を触ったことがなかった。この番組で吉田や坂崎からギターの手ほどきを受け、オープニング曲「好きになってく 愛してく」では作曲を光一、作詞を剛が担当して初めて曲作りに挑んだ。

吉田の52年のアーティスト活動にピリオドを打つ、今月29日発売のラストアルバム「ahー面白かった」の題字を光一が書き、剛が編曲とギター演奏で参加している。

今回の放送は今年の正月に新年のあいさつをメールでやりとりしてる時に、光一が「今年こそ『LOVE LOVE あいしてる』を実現させたいです」と吉田に送ったことから始まった。吉田が、各方面に声を掛けて5年ぶりに番組の復活が実現した。

光一は「拓郎さんの一声で始まりました。レギュラー放送の頃から拓郎さんの一声でみんなが集中してひとつの方向に動き始めるということが多かった気がします。昔はそういう感覚で物事が進むことは少なくなかったと思うんですけど、今の時代においてはなかなかないこと。今回実現できたのは、拓郎さんのリーダーシップのおかげですし、昔もそうやってやったなっていう感覚を思い出してうれしかったです」。

剛は「番組が終わってからも“見てました”といろいろな方に言っていただける人生なので『LOVE LOVE-』という番組が自分だけじゃなくて、いろいろな人たちの記憶に残ってるんだと、影響があった番組なんだなと実感することが多かったんです。なので、すごくうれしいと共に“ラストか”という気持ちももちろんあります。番組が終わってから、長い時間がたったはずなのに“先月もやっていた”みたいな雰囲気が、めちゃくちゃ不思議で。あっという間に当時に戻れる感覚。そういう関係性を、画面を通して改めて、皆さんにお届けできることがすごく幸せです」と話している。

吉田は「僕は年齢的にも2人より全然上で、いろいろなことをリタイアしたいなと考えていまして。そういう意味で言うと、テレビとのお付き合いも『LOVE LOVE-』で最後にしたいな、という決心が随分前からありました。光一と剛と最後に一緒にやって、一緒の時間を過ごして、それを最後のテレビ出演とするのはどうかなと、かねてから思っていました。それで、プロデューサーと話して、特番などでやれるといいんだけどねと話をさせてもらって。僕はとてもすてきな有終の美を飾れそうで、とても幸せ皆さんに感謝しています」と話している。