女優水嶋凜(22)が、母で女優斉藤由貴(55)の曲「予感」をカバーし9月6日に歌手デビューする。このほど日刊スポーツなどの取材に応じた。美大で映像制作を学んだ経験を生かし、MVもセルフディレクションする。女優、歌手、制作と多彩な活躍を“予感”させる。

水嶋は「歌うことは好きなのでうれしい。自分らしく素直に歌いたい」と目を輝かせた。昨年女優デビューし、今秋には初ミュージカル「シンデレラストーリー」(9月6~19日、東京・日本青年館ホールほか)で初主演する。ここ数カ月は週1回でボイストレーニングを行っており「レッスンは楽しいです。出せない音が出せるようになりましたし、成長してる…のかな」と笑った。

斉藤の楽曲を多数編曲し、「シンデレラ-」音楽監督の武部聡志氏が水嶋の声に注目、「母親譲りの透明感、浮遊感、エアリーさが魅力の声質」(武部氏)が生きる「予感」がデビュー曲に決まった。ミックスボイスと呼ばれる、裏声と地声の間の声で、制作側は「いそうでなかなかいない」声の持ち主だとした。

水嶋はカバーにあたり、歌い方や雰囲気の作り方を学ぶため、斉藤のオリジナル曲をあらためて聴き「尊敬するしかないです。1つ1つの言葉、表現の仕方がすごい」と感嘆。その上で「あまりコピーしてもつまらない。お母さんは色気が強いですが、私はまっすぐでいい。軽すぎず重すぎず、自分の感情を積み上げたい」と話した。

斉藤の反応について水嶋は「へえ『予感』なんだ、って」と淡々していたとするが「他の人には言ってたりするんで、喜んでると思います」。斉藤とは高校時代に1度、カラオケに行ったことがあるそうで「母の曲を歌ったらうれしそうで『ジーンとくる』って言ってました」と明かした。次の共演は歌手同士、という期待もふくらむ。

水嶋は「たくさんの人に、シチュエーション限らず聞いてもらいたい」と話している。【小林千穂】

○…「予感」は86年10月に発売された斉藤由貴のアルバム「チャイム」収録曲。作詞は斉藤が手掛け、作曲は亀井登志夫氏。かつての恋人と再会した情景を描き、透き通った歌声と郷愁感ただようバラード調の美しいメロディーで、名曲との呼び声が高い。水嶋はMVを絵コンテから作った。「楽しい経験をさせてもらっています。いろんなことが全部楽しいし、全部やりたい!」とパワフルに語った。編曲した武部氏は「時を越えて、母娘の作品作りに関わることができて感無量です」と話している。

◆水嶋凜(みずしま・りん)1999年(平11)11月18日、東京生まれ。20年に芸能事務所「東宝芸能」に所属。21年1月、テレビ東京系「直ちゃんは小学三年生」にゲスト出演し、女優デビュー。NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」にも出演。趣味は映画観賞、歌うこと、和風建築を見ること。好きなアーティストは手嶌葵。162センチ。