乃木坂46の30枚目シングル「好きというのはロックだぜ!」(8月31日発売)の選抜メンバーが発表された。2度目のセンターに立つ賀喜遥香(20)はじめ、4期生が過去最多となる9人選抜入りした。今作の選抜メンバーは19人で、ほぼ半数を4期生が占めた。

4期生には賀喜や遠藤さくら(20)はじめ、選抜常連になったメンバーも多い。今作では新たに金川紗耶(20)弓木奈於(23)も初選抜入りした。弓木は賀喜や遠藤らと同じ18年8月の「坂道合同オーディション」に合格したが、すぐにはグループ配属に至らず「坂道研修生」として活動。20年2月にようやく乃木坂46加入を果たした「新4期生」とも呼ばれた5人のうちの1人だ。乃木坂46の「坂道研修生」経験者では初の選抜入りとなる。

モーニング娘。やAKB48ら、歴代の人気女性アイドルグループが必ずと言って良いほど直面してきた世代交代の壁を、乃木坂46は比較的うまく攻略しつつある。11年8月に加入した1期生は残り4人となったが、16年9月加入の3期生と前述の4期生が台頭。メンバーによっては「若手」「次世代」の域も超えて既に不動の中心メンバーとして活躍している。

特に4期生は16人おり、現在全ての期で最も人数が多い“最大勢力”だ。必然的にグループ内での割合も大きくなっている。主に1期生や2期生の卒業が続く中、4期生が選抜の空いた枠に入りしっかりと定着してきているのも、世代交代の順調さを感じさせる要素の1つだ。

乃木坂46では長らく1期生が選抜の過半数を占める時代が続いた。もともと34人で活動開始し母数も多い上に、「奇跡の1期生」と呼ばれるほど魅力的なメンバーがそろっていた。それでも3期生が風穴をあけ、4期生はさらなる光明となっている。近年卒業していく1期生が「後輩たちが頼もしくて、安心して卒業できます」と異口同音に話すのは、リップサービスだけではないだろう。

さらに今年2月には5期生11人も加入した。応募人数は8万7852人で、日本のグループアイドルの単独オーディションで史上最多という。7987倍の狭き門をくぐり抜けた精鋭たちだ。既に先輩たちと肩を並べるほど人気上昇中のメンバーもおり、次第に選抜に食い込んでくるだろう。3期生や4期生も大いに刺激を受けているようだ。

4期生は加入時から「集団でいる時の雰囲気が1期生に似ている」とメンバーやスタッフから言われている。言わば「奇跡の再来」だ。先輩や後輩たちと切磋琢磨(せっさたくま)を続けていけば、世代交代の壁の“向こう側”も見えてくる。日本の女性アイドルグループでは異例のことだ。

8月で結成11周年を迎える乃木坂46は、恒例の「真夏の全国ツアー」開幕にあたりテーマを掲げた。「わたしたちが、アイドル。乃木坂46です。WE ARE THE IDOL.」。強いメッセージには、トップアイドルグループとしてのプライドも見え隠れする。エース齋藤飛鳥(23)やキャプテン秋元真夏(28)ら「10年戦士」も健在。選抜に9人を送り込む「奇跡の再来」4期生をはじめ、1期生から5期生があらためて乃木坂46の強さを示す夏になりそうだ。【横山慧】