のん(29)が10日、都内のTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演映画「さかなのこ」(沖田修一監督、9月1日公開)完成報告上映会に登壇した。原作本の著者さかなクンがモデルとなった、主人公ミー坊を性別を超えて演じたことが「ふに落ちた」と納得の表情を浮かべた。

のんは、オファーを受けた時の思いを聞かれ「ビックリしました。私が、さかなクンをやっていいの? と。でも、すごくふに落ちた…のんで、いいと。うれしかった」と口にした。その理由として「さかなクンがいると、その場が幸せになる。現場にいると、みんなの目がピカピカする。演じて、すごい楽しかった。自分が、うまくいっていない時も、お魚は好きだと貫くから人生がうまくいく役、物語だから」と語った。

沖田修一監督は、のんの起用理由を聞かれ「ワクワクしたし、僕も、とてもいいかも知れないとふに落ち、自分でも見てみたいなおオファーした。不思議と似ているような気がしました」と笑みを浮かべた。

さかなクンは「これは夢か幻か、本物か…沖田監督様に初めてお会いして、映画化すると聞いたのが、ギョ(4)年の月日が巡って…早かったですね。長いようで早くて、早いようで長い」と著書の映画化が実現した喜びを語った。その上で「キャッキャッキャ、のんさん! 超憧れていますんで」と、独特の言い回しで自らがモデルの役に、のんが起用されたことを喜んだ。

沖田監督から「お母さまも喜ばれていたんで、何も違和感がないんだと僕もうれしくなった。素晴らしいお母さん」と、母も納得のキャスティングだと裏話が飛び出すと「うちの母も(のんの)ファンなので、キャーっと喜んでいた」と母の様子を明かした。母を演じるのは、井川遥で「親孝行!!」と喜んだ。

「さかなのこ」は、さかなクン初の自叙伝「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~」(講談社)が原作。子供の頃から魚が大好きだったさかなクンが、たくさんの出会いの中でやがて“さかなクン”になるまでを描いた。のんは、天真爛漫で好きなことに一直線の主人公ミー坊を、性別の垣根を越えて演じた。モデルとなったさかなクンもギョギョおじさん役で出演した。

舞台あいさつには夏帆(31)と磯村勇斗(29)も登壇した。