歌手矢沢永吉(72)が28日、東京・国立競技場でデビュー50周年記念全国ツアー「MY WAY」の2日目公演を行い、シークレットゲストとしてロックバンド、B’zが登場した。

同競技場改修後初の有観客ライブ2日目の夜に、日本が誇るロックスターの夢の初共演が実現した。「黒く塗りつぶせ」の間奏。「YAZAWAの50周年、『俺たちいきまっせ!』って、すげぇゲストが駆けつけてくれてます!」と紹介し松本孝弘(61)、稲葉浩志(57)と抱き合った。前日の初日公演には、MISIAがゲスト出演。この日のゲストは事前告知されておらず、ビッグサプライズに6万人がどよめいた。

松本のギターに合わせて、矢沢と稲葉が肩を組んで声を合わせれば、稲葉は「永ちゃ~ん!」とシャウト。これまで共演はなかったが、矢沢は「1回、飲み屋か何かで松本くんと出会ったんだよね」と交流があったことを明かしつつ「もう1曲やろう!」とキャロルの名曲「ファンキー・モンキー・ベイビー」を歌った。B’zが他のアーティストのライブにゲスト出演するのは異例。稲葉は「50周年おめでとうございます」と祝福し、矢沢も「たまんないね~! 俺、幸せ。ずっと朝までやろうぜ」と笑顔で応えた。

ファンはこの日も、開演予定時間の10分前からウエーブで、YAZAWAの登場を待った。国立を「国際!」と言い間違え、「ごめんちゃい」とおちゃめにあいさつ。初日公演より気温が10度近く低く、心地よい風が吹く中で「昨日はめっちゃ暑かった。たぶんステージは40度くらいで。見に来た知り合いは倒れるんじゃないの? って。いや、僕も倒れてなるものかって感じでね。今日は最高じゃん! 今から2時間、50周年、矢沢永吉やりますんで、一緒に最後まで、いっていっていっていって…よろしく~!」。

何度もマイクスタンドを振り回せば、ソロデビューシングル「I LOVE YOU,OK」ではしっとりと歌い上げるなど、YAZAWAは健在だった。「50年歌えると思ってなかったね…。あっという間だった。音楽以外にも何か俺できることあると思っていろいろトライしたんだけどダメだった。でもダメで良かった。何でもいいから(続けられることを)一つもらえて良かったと最近つくづく思います」と感慨深げに話した。

コロナ禍で、声援なしなど、まだまだ制限がある中での50周年ツアーにもなったが「絶対負けねえぞ! っていう感じ。まあ本当にいろいろあるけど、ほんのちょっとでも良いことがあれば頑張ろうねって、そんな感じで皆さん頑張っていきましょう!」と前向きに呼びかけた。

来月14日に73歳を迎え、ツアーは同18日の福岡・ペイペイドーム公演、同25日の京セラドーム大阪公演と続く。「止まらないHa~Ha」、そして「トラベリン・バス」で何度も舞ったタオルによる熱風も追い風に、YAZAWAの夏はまだまだ続く。【大友陽平】