Kis-My-Ft2藤ケ谷太輔(35)の主演舞台「野鴨-Vildanden-」のプレスコールが3日、東京・世田谷パブリックシアターで行われた。

ノルウェーの劇作家ヘンリク・イプセンが1884年に発表した名作で、古典に初挑戦する。

劇中では、理想を追い求め、真実こそが正義だと信じてやまない“正義病”の青年グレーゲルスを演じる。自分を欺くことで自らを守ろうとする人間の弱さや、独り善がりの正義を振りかざす愚かしさを描く。

記者会見で藤ケ谷は「すごく挑戦している気持ちがある。難しく思われる作品かもしれないが、すごく現代に通じている。今はドキドキと興奮と、ちょっとの怖さがある。会話劇なのですが、昨日はセリフを飛ばす夢を見た。最悪の状態です」と明かして笑わせた。そして「正夢になったら共演者にフォローをしてもらいます。でも、初ミュージカルの時も同じ夢を見たけど、そうならなかったので、今回もいい感じが続けばいいな」と笑顔を見せた。 正義を振りかざす役だが、「(役の人柄は)上位に来るくらい苦手なタイプ」と言った後で「(自分も)無意識の中で正義感をふりかざしているのかな…」と自問自答をし「やっていて楽しいです」と続けた。

前田亜季(37)から「色気が漏れすぎていて、稽古でダメ出しが出た」と明かされると、「色気は意識していないし、自分でコントロールできるものではない」。普段の色気を100とすると「20ぐらい。それでみなさんに届く」と冗談交じりで笑わせた。

ベテラン俳優の浅野和之(68)も「確かに色気はある。勘がいいし、せりふの入れも早いしビックリする。色気は憎たらしいね。お芝居は抜けているのではく、突き抜けている」と褒めちぎった。

気分転換について聞かれた藤ケ谷は「休みの日に車に乗って海を見に行きました。1人で」と明かした。だが、車中でもセリフの音声を流していたので「オフれていない」。

78歳で死去したことが2日に発表された古谷一行さんとは、19年放送のドラマ「ミラーツインズ」で共演していた。「貫禄もあって怖い方だと思ったが、すごくチャーミングで優しい。『太輔、太輔』と言ってくれた」と振り返った。「おすしが好きだと言ったら、すし屋さんに1回連れて行ってもらった」。約2年前には、古谷さんから「(今度)ドラマで一緒になるかも」とメールが届き、共演を喜んだが「それから体調を崩して」再度の共演は実現しなかったという。「次、ご一緒できるように精進します。寂しいですが、今はゆっくりしてほしい」と悼んだ。

舞台は3日夜に初日を迎え18日まで同所で。21日からは兵庫公演を行う。