女優松井玲奈(31)が18日、大阪・テアトル梅田で公開中の主演映画「よだかの片想い」(安川有果監督)の舞台あいさつに出席した。共演の中島歩(33)、安川監督も登壇した。

直木賞作家、島本理生(りお)の同名小説が原作。顔に大きなあざがある大学院生のアイコ(松井)が年上の若手の映画監督・飛坂(中島)と恋に落ち、人との間に作ってきたカベを乗り越え、成長する物語。

安川監督が「中島さんしか出せない味でやっていただき、感謝している」とあいさつしていると、松井のマイクに“不具合”があったようで、松井は「大丈夫です。続けてください」とキッパリ。

安川監督は「(中島の)絶妙な語り口が、本日もそのまま…」と続けると、中島は「なんか、硬いな、きょうは緊張感がありますね」と客席を見渡すと、松井が「私(の雰囲気が)硬いから」と返答。中島が「緊張しているの?」と問いかけると、松井は「緊張はしていない」。

安川監督が撮影を振り返りながら「松井さんはパキッとした空気を作る方だな」と話すと、松井は「良くないなと思う」と反省モードに入ると、中島が、いきなり背後にある舞台に腰掛けるアドリブを披露。会場から笑い声が起き、絶妙のフォローに場が和んだ。

本作は不器用な主人公が自分らしく生きていくというのがテーマ。不器用なことについて松井は「しゃべるのがヘタだな。会話のキャッチボールしながら、しゃべれない。なんとかですかと聞かれても、『私はこう思います、まる(。)』で自己完結しちゃう」と再び反省モードに入り、「30年も生きてきて、なんでできないんだろう」とポツリ。

テアトル梅田は32年間にわたり関西のミニシアター文化を引っ張ってきたが、9月30日で閉館する。「よだかの片想い」が最後のロードショー作品になる。

松井は「これまで出演した作品をかけていただり、舞台あいさつしたこともあるので、寂しい。よだかの片想いが最後にかけていただける機会をいただけたのがうれしいな」と感慨深げに話した。