歌舞伎俳優市川猿之助(46)が21日、都内で、主宰する演劇プロジェクト「猿之助と愉快な仲間たち」の第2・5回公演「新説 堀部安兵衛」(10月20~23日、東京・銀座の博品館劇場)の制作発表会に出席した。

コロナ禍で減ってしまった、舞台で活動する機会を増やすために始まったプロジェクト。猿之助は「おかげさまで歌舞伎座も毎月開くようになり、客席も戻りつつありますが、歌舞伎以外の我々の仲間はまだまだ仕事がそんなに以前のようにないということで、やはり表現の場を作りたい」と説明。

来年3月の第3回公演が決まっている中、今回の公演が急きょ決定したため、第2・5回公演となった。前回描かれた大衆演劇の一座が今回も登場する。歌舞伎俳優市川青虎が脚色、演出を務め、猿之助はスーパーバイザーという立場で参加する。

青虎は「ここが演出家デビューとなります。いろんな世界で活躍している人が、それぞれの個性、持ち味を生かした宝箱のような作品になれば」と話した。

猿之助は「僕は正月のおもちで言えば、真ん中の飾りやみかんみたいなもの。なきゃ困るけど、あってもそう役に立たない。お飾りだと思ってください」と笑わせつつ「始めたからには10回はやりたい」と同プロジェクトを展望。さらに「京都・春秋座くらいの、700~800人くらいのキャパで昼夜公演をやりたい。昼間は今回のような新劇と混じったような芝居を、夜は勉強会のような歌舞伎の古典を。そういう公演を2~3週間やって、ゆくゆくは(熊本の)八千代座など地方に持っていくのは夢です。ぜひやりたい」と語った。

ほか下村青、市川段之、市川郁治郎が出席。