岡田准一(41)が22日、東京・丸の内TOEIで行われた主演映画「ヘルドッグス」(原田眞人監督)公開御礼舞台あいさつで、観客との質疑応答に応じた。その中で、劇中で大好きな女性キャラクターを聞かれ、劇中で激闘を演じた、元宝塚歌劇団月組・星組の娘役だった中島亜梨沙(39)の名を挙げ、たたえた。

岡田は劇中で、闇落ちして関東最大のヤクザ「東鞘会」に潜入した元警察官・兼高昭吾を演じた。並行してカリ、ジークンドー、USA修斗といった、格闘技のインストラクター認定を受けた実力から、今作でも各キャラクターらしい殺陣の考案、指導も行った。その中で、東鞘会の面々が訪れた会員制クラブ「天童」に、キャストのフリをして潜入し、MIYAVI(41)が演じた東鞘会の若きトップ十朱義孝に襲い掛かるルカを演じた、中島を徹底指導したという。

岡田は「ルカ役で戦った、中島さんは、監督が『芝居が良いから、鍛えておいて…』と言われて。コロナで延期になったんですけど1年半くらい、いろいろ教えていて」と、原田監督の要請を受けて1年半、稽古をつけたと振り返った。劇中で、岡田演じる兼高と中島演じるルカが、クラブの奥の部屋で肉体がきしむ音がするほどの激闘を展開するシーンがある。並外れた戦闘能力を持つ兼高も、時に追い込まれるほど、ルカのつわもの振りが際立ったシーンとなった。

岡田は「最後まで頑張って撮り切れた。撮り終わった時は満身創痍(そうい)でボロボロになるくらい、彼女は頑張った」と中島をたたえた。その上で、中島が「怖かったです」と語っていたと明かし「確かに、急に1年半鍛えて、僕と相手役で、いきなり戦うとなったら…。(恐怖を)乗り越えて、ルカの動きと作りをやってくれた。撮影が終わった後、彼女が動けなくなったんですけど、拍手が起こるくらい頑張ってくれたのが印象に残っている」と、中島への賛辞を繰り返した。

中島は、アクション経験自体、皆無の状態で岡田の指導を受けたという。岡田は「宝塚の女性役をやられた方なので『戦ったことないです』と言っていたところから、急に岡田と戦うという…。すごいプレッシャーがあったみたいで。『急に戦うんですか? 私』と。監督の一番の、むちゃ振りだと思うんですよね」と、原田監督に突っ込んだ。

原田監督は「一応、彼女に聞いたんだよ。『岡田君と戦う?』って。そうしたら『やります』って」と言い笑った。それを聞いた岡田は「絶対、断れないですよね」と笑った。

劇中で岡田演じる兼高とバディを組む死刑囚の息子でサイコパスなヤクザ室岡秀喜を演じた坂口健太郎(31)は、自身も岡田に現場で指導を受けただけに「そうか…中島さんは、1年半で、あそこまでって、すごいですね」と驚いた。さらに「僕は最初(アクションで)動ける方なんだと思っていました。クラブのシーンは、すさまじいこと、やってましたもんね」と重ねて、驚きを口にした。