米俳優アレック・ボールドウィン(64)が、昨年10月に米ニューメキシコ州で行っていた新作映画の撮影現場で起きた銃の誤射事件に関し、近々起訴される見通しであることが分かった。FOXニュースが、現地の検察当局がボールドウィンら関係者4人を起訴する準備を進めていると報じた。報道によると、州の財務委員会は、検事局の求めに応じてボールドウィンらの容疑を調査するための費用31万7000ドル(約4596万円)以上を承認し、特別検察官や特別捜査官、数人の専門家らを任命することを認めたと伝えている。

また、英デーリー・メール紙も、検事が資金力のあるボールドウィンの弁護士に対抗するため、63万5000ドル(約9207万円)の予算を求める書類を送ったと伝えている。罪状については明らかになっていないが、殺人や銃に関する州の法律に違反した可能性を示唆している。

ボールドウィンは撮影セットで、助監督から安全を意味する「コールドガン」と言われて渡された小道具の銃を誤射し、撮影監督のハリーナ・ハッチンスさんが死亡し、ジョエル・ソーサ監督が負傷した。その後の捜査で銃には実弾が込められていたことが判明し、実弾が撮影現場に持ち込まれた経緯などについて捜査が続いていた。ボールドウィンは、「自分は引き金を引いていない」とテレビのインタビューで主張し、実弾が使われていたことも自身は知らなかったと話し、武器担当の責任者や助監督に責任があると発言していた。主演のボールドウィンは同作のプロデューサーでもあり、事故の責任を問われる可能性が取り沙汰されていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)