ザ・ドリフターズのメンバーで、タレントの仲本工事(81)が18日午前、横浜市西区の交差点で道路を渡ろうとしたところ、乗用車にはねられた。

救急車で病院に緊急搬送されたが、頭を強く打っており重傷で、すぐに手術を受けた。搬送時には、頭から血を流し、意識がもうろうとしていたという。

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神奈川県警戸部署によると、仲本は18日午前9時10分ごろ、横浜市西区浅間町5丁目の交差点を、歩いて渡ろうとし、右側から来た、パートの男性(73)が運転するワゴン車にはねられた。

この交差点に横断歩道はなく、横断禁止の十字路だった。現場はやや渋滞しており、仲本は車を縫うようにして渡ろうとしたとみられる。ワゴン車には運転手含め3人が乗車していた。仲本は救急車で病院に搬送され、手術を受けたという。車に乗っていた男性らにけがはなかった。

県警関係者によると、仲本は予断を許さない状態だという。搬送される時には意識はもうろうとしており、事故当時の状況について聞き取りができていない。別の県警関係者によると、仲本は1人で歩いていて、「仕事のために来ていた」などと話していたという。

事故現場は、相鉄線の西横浜駅から約500メートルほど離れたマンションや飲食店、コンビニなどが立ち並ぶエリア。交通量が多く、住宅が立ち並ぶことから、人が多く行き交う場所だった。事故現場には現場検証の際に残したとみられるチョークが残っていた。近隣に住む20代の男性は「ここで交通事故があったことは、あまり聞いたことないですね。信号機のない交差点ですが、以前から横断する人が多く、危ないと言われていました」などと話した。

仲本は12年に演歌歌手の三代純歌(54)と再婚し、東京・目黒区内で飲食店を営んでいる。だが、一部報道によると、昨年7月から純歌が横浜市内でカレー店を始めるために夫妻は別居しているという。

仲本の所属事務所はこの日、公式ホームページで、仲本が交通事故に遭い、神奈川県内の病院に搬送され、治療を受けていることを報告した。「突然の事態に、ご親族、ザ・ドリフターズのメンバー、我々事務所スタッフ一同、非常に大きなショックを受けております」とし「治療の経過につきましては、都度、弊社WEBページにてご報告をさせていただきますので、当面の間、取材はお控えいただきますようお願い申し上げます」と呼びかけた。

◆仲本工事(なかもと・こうじ)本名仲本興喜。1941年(昭16)7月5日、東京都生まれ。学習院大卒。64年、ザ・ドリフターズ結成に参加し、ギターとボーカルを担当。同年日本テレビ系「ホイホイ・ミュージック・スクール」でテレビデビュー。68年シングル「いい湯だな」発売。69年開始「8時だョ!全員集合」で人気に。CMでの「コ・マ・オ・ク・リ・モ・デ・キ・マ・ス・ヨ」などギャグも多数。志村けんさんとの「じゃんけん決闘」も名物だった。「遠山の金さん2」「水戸黄門」など、テレビドラマにも多数出演。私生活では、82年に当時の妻を亡くし、91年に再婚し1男2女をもうけるも、04年に離婚。12年に純歌(当時三代純歌)と27歳差婚をして話題になった。

◆ザ・ドリフターズ 64年にいかりや長介さん(04年死去)をリーダーにしたコミックバンドとして誕生。他のメンバーは加藤茶、荒井注さん(00年死去)、高木ブー、仲本工事。66年にザ・ビートルズの日本武道館公演の前座を務めた。74年に荒井さんが抜けて志村けんさん(20年死去)が加入。69年にTBS系「8時だョ!全員集合」が放送開始。77年にフジテレビ系「ドリフの大爆笑」がスタートし、コントグループとしても国民的人気となった。70年に「ドリフのズンドコ節」がミリオンヒット。ほかに「いい湯だな」「ミヨちゃん」「誰かさんと誰かさん」などの代表曲がある。