英ロンドンにある、ろう人形館マダム・タッソーで24日、環境活動家がチャールズ国王のろう人形の顔にケーキを投げつける事件が起き、4人が器物破損の容疑で逮捕された。

報道によると、環境団体「ジャスト・ストップ・オイル」の名前が書かれたTシャツを着た活動家2人が、「抗議の時だ」と叫びながら国王の顔めがけてそれぞれ手にしていたチョコレートケーキを投げつけたという。チャールズ国王夫妻の両隣には息子のウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃の人形も並んでいた。

ジャスト・ストップ・オイルは、この様子を撮影した動画をツイッターに投稿。国王の隣に並ぶカミラ王妃のろう人形にもケーキの一部が飛び散ったように見えるほか、従業員の「やめて」と叫ぶ声も聞こえる。

英政府に対し化石燃料に関する新規許可の停止を求めている同団体は今月14日、ロンドンのナショナルギャラリーに展示されているゴッホの代表作「ひまわり」にトマトスープをぶちまけて物議を醸したばかり。

絵はガラスで保護されていて無傷だったが、その後も老舗高級百貨店ハロッズの窓にオレンジ色の塗料を吹きかける騒ぎを起こすなど過激な抗議活動が続いている。代表者はすべての新しい石油とガスの認可を停止するという要求が認められるまで抗議活動は続くと警告している。

チャールズ国王は11月6日からエジプトで開催される国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)への出席を見送ったことが報じられていた。

マダム・タッソーには王室メンバーをはじめ、映画スターやスポーツ選手ら著名人の本物そっくりな等身大のろう人形が並んでおり、来場者は一緒に記念撮影できることで人気の博物館として知られる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)