ヒロインが空へのあこがれを募らせ、具現化していく様を描くNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」。福原遥ふんするヒロイン舞の父、岩倉浩太役の高橋克典(57)が11日、制作のNHK大阪放送局を通じてコメントを寄せた。

年齢に応じた役作りのため「ふっくらして」収録に入ったが、イメージが違い今度は体重を絞ることに。結果、食の町・大阪で食事制限することになったエピソードなどを明かした。

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朝ドラ出演が決まった時、まっさきに、子供の頃に見た「雲のじゅうたん」を思い出したという。今作と同じ、飛行機にまつわる話だった。

高橋 役者として「朝ドラの表現」をできる機会は一生に1回だと思っているので、毎日すごくうれしく撮影に。自分が実生活で父となって見つけた「心」があり、自らも驚きの連続の中で育ってきた「感情」がある。このタイミングで、家族を見つめ直すような時代の流れの中で、ヒロインの父親を演じることがすごくうれしいです。僕が初めて全部見た朝ドラ「雲のじゅうたん」も、飛行機にまつわる作品。「舞いあがれ!」も、飛びたい!という人たちの物語。ご縁を感じています。

役柄は、東大阪の町工場を経営する2代目社長。もともと、重工メーカーに勤め、飛行機製作の夢があったが、父の病死で、ネジを作る工場を継いだ。互いに飛行機好きの娘とは、同志のような間柄になる。

高橋 僕は実年齢の割に若く見えすぎるから、少しふっくらして作品に入りました。でも、貫禄が出過ぎてしまって。若いうちは周囲の東大阪の皆さんと違う雰囲気の、少し線の細いノーブルな感じがいいかなと、体重を絞ることに。食事制限中で大阪のおいしいものがあまり食べられないので、劇中で食べた「うめづ」のお好み焼きが本当においしかったです。

性格は「どこにでもいるような優しいお父さん」。子を持つ親なら共感を抱いてもらえそうと見る。

高橋 印象的だったのは、舞の初めての反抗期のシーン。過干渉気味の親に、閉じ込めていた自分を出してくる場面です。僕は反抗されている側だけど、涙が出そうになるほど娘の成長がうれしくなってしまって。でも、監督からは違う演出がきました(笑い)。

娘役の福原、息子役の横山裕への思いも熱い。

高橋 何より、福原遥さんが本当にすばらしくて、とてもいいシーンになったと思います。息子の悠人(横山)とは、まあ…あんなもんでしょう(笑い)。父と息子はあれでいいんじゃないかな。僕、歯向かわれるのが嫌いじゃないんですよ。自分の若い時だってそうだったし。親に反抗して後に引けなくなるのも悪いことじゃない。

実生活では息子がおり「娘を持つパパ」の気持ちを疑似体験したそうだ。

高橋 実生活で男の子の父なんですが、娘さんを持つパパ友達の気持ち、娘ってこんな感じか! と分かったので、娘さんのかわいさに気苦労が絶えないパパ友と東京で飲みました(笑い)。福原さんは、すごく透明感がある方。常に水や空気のように自然で柔らかくてみずみずしくて、共演が楽しいです。

今年は4月期のNHK「正直不動産」でも共演しており、その収録中に今作の台本をもらった。

高橋 だから「正直不動産」では敵対関係ながら、すでにかわいい娘のようで…。妻・めぐみ役の永作博美さんとは、20年ぶりくらいの共演。ご結婚されてお子さんも産んでいて、親として経験しているものが共通するからやりやすい。

大阪弁も気に入った。

高橋 大阪ことばはただの記号じゃなく、大阪の人の優しさや人懐っこさ、人との距離感などを含んで成立しているものだと気づきました。すごくチャーミングだし、正直で、救ってくれる感じもある。東京にはない温かさに、心打たれています。

見どころには「すべて」と話す。

高橋 全編通してみどころです。うつむくことや、足元を見たり、ガッカリすることばかりの時代に「舞いあがれ!」というタイトルがいい。空を仰ぐことをちょっと忘れていたからこそのタイトルだと思います。うまくいくことも、いかないこともあるけど、すごくいいドラマに仕上がっていると思うので、隅から隅までご覧ください。