鈴木亮平(39)が19日、東京・テアトル新宿で行われた主演映画「エゴイスト」(松永大司監督、2月10日公開)プレミア上映会に登壇。

宮沢氷魚(28)と愛し合うゲイの役を演じるに当たり「果たして、自分がやることが良いんだろうか…きちんとした映画として成立させられるんだろうかと思った」と主演を受けるまでの葛藤を吐露。演技のアドバイスを受けたスタッフや親友役として共演した、ゲイ当事者の存在なくしては「映画が出来なかった」と感謝した。

「エゴイスト」は、20年に亡くなった高山真さんの自伝的小説の映画化作品。鈴木は出版社でファッション誌の編集者の斉藤浩輔、宮沢は浩輔が指導を受ける中、ひかれ合っていくパーソナルトレーナーの中村龍太を演じた。

檀上で、LGBTQ+インクルーシブディレクター、インティマシー・コレオグラファーといった、ゲイ当事者から撮影現場でアドバイスを受けての役作りについて質問が出た。鈴木は「お二方がいなければ、この映画は絶対、出来なかったと思うくらい、僕らが頼りにした。ゲイであることの描写が、リアルであるかどうかチェックしてくれて。かつ作品になった時、世間に与える影響がどうか。差別、偏見…ステレオタイプのようなものを助長しないかと毎カット、毎カット…モニタをチェック。脚本の段階から描き方はどうかと」と説明した。

その上で、浩輔の友人役で映画に初出演した。ドリアン・ロロブリジーダ(38)ら、ゲイ当事者を集めての座談会まで企画してもらったと明かした。「無知だった自分に一から勉強させてくれた。宣伝内容の文言、文句一から全て関わってくださった」と感謝した。そして、自らの思いを吐露した。

「原作を読んで、縁を感じて出たいなと思ったんですが…果たして、自分がやることが良いんだろうかと…。正しい、正しくないって、ないと思うんですけど、きちんとした映画として成立させるんだろうかと思った時、彼らがいてくれた。親友役の人をはじめ皆さん、ゲイの方々をキャスティングしてくれるという話を聞いて、そこで初めて、この映画にトライしてみようという気になった。彼らのおかげ」

鈴木は舞台あいさつの最後にも「本当に、僕にとって非常に大切な作品です。出来上がるまでに、いろいろなことがありました。最初にタイトルが出て、最後に終わる。最初の印象と最後の印象が変わっていれば、映画が何かしらの影響を与えたんだと思います」と熱っぽく語った。その上で「今はSNSありますので…僕たち、見てます。エゴイストだけに、エゴサーチします!!」と宣言。「この映画が、どう思われているか、僕たち、すごく気になっていて。普段、あまりやらないんですけど…見てますので書き込んでください。いいことだけじゃなくて、いいです。セクシャリティーの描き方に関して、どうなんだろう…日本映画、もっといけるんじゃないかというのがあれば、書き込んでいただいて構わない。僕たちの原動力にして、我々の業界も前に進めるきっかけになる」と訴えた。

舞台あいさつには、龍太の母妙子を演じた阿川佐和子(69)も登壇した。