木村拓哉(50)が主演し、綾瀬はるか(37)がヒロイン役を務める映画「レジェンド&バタフライ」(大友啓史監督)が今日27日から公開される。

2人がこのほど日刊スポーツの単独インタビューに応じた。連載最終回は、第一線を走り続け、注目されるそれぞれの一流のプロ意識と、メンタルに迫った。【聞き手=横山慧】

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-「弱さ」を持った人間の変化を演じられることにも、やはりおふたりの「強さ」を感じます。木村さんは以前、別の作品公開の際に「ネガティブキャンペーンみたいなものがあっても全然構わない」と話していました。どうしてそのようにブレずに強くいられるのでしょうか

木村 事後のことは、何にも考えていないです。本番では、相手が今、何を感じてるか、何を思っているかっていうのを、本当にアンテナ1本…山奥のトンネルの中で電波一切ないぞっていうところだとしても、絶対に相手を感じ取ってやろうと思って、もちろんやっていますけど。だから「どうしたら強くいられるか」っていうよりかは、もうそこにはやっぱり信じることのできる共演者、スタッフ、監督がいてくれて…。それが前提で、やっぱり現場っていうものが存在してくれているので。その現場がある限りは、やっぱりやりがいを感じます。

-今回も

木村 そうですね。今回だったら、綾瀬さんがいて、大友さんもいて。脚本っていう設計図はお互いに共有物で持ってはいるけど、大友さんは、それを自分や綾瀬さんがどう読んできたか、どうそこで体現するのかっていうのは…たとえば「もっとこうしろ、ああしろ」「もっと早く」「もっと間を取れ」とか、そういうのは…(綾瀬に視線を向ける)。

綾瀬 …言われなかった。

木村 うん、言われなかった。まあ飲み食いしながら話したわけじゃないので全ては分からないですけど、それぐらい監督も、自分ら出演者のことをいっぱい信じていただけた部分があるのかな、って。今回は特に、お互いの信頼関係っていうものがあって、現場を構築できたんじゃないかなと思います。

-綾瀬さんも常に注目される存在です。それでも柔らかい雰囲気を持ちつつ強くブレずにいられるのはなぜですか

綾瀬 奥深い質問ですね。私も大体…作品っていうものは、自分のためっていうことじゃなく、基本的に周りの方に応えたいっていうのが、いつも一番にあるかな、とは思いますね。やっぱり今回もそうですし、台本もすばらしかったですし、映像にするなら、自分の演技1つで、そこに書かれたものや、それ以上のものを作り上げたいですし。まあ作品を作るっていう時には、やっぱりみんなの思いはすごいので。そこにどれだけ自分が応えられるかっていう感じで…全力で頑張ってます。フフフ。(笑顔で木村を見る)

木村 うん。そういう、金額でもなければ質量でもない、人の思いの結束力だったり生み出すパワーっていうのは、やっぱりすごい力になると思いますよ。(おわり)

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◆木村拓哉(きむら・たくや)1972年(昭47)11月13日、東京都生まれ。叔母が履歴書を送ったことでジャニーズ事務所入り。役者としては、93年フジテレビ系「あすなろ白書」で脚光を浴び、96年同局系「ロングバケーション」をはじめ、「ラブジェネレーション」「HERO」、TBS系「ビューティフルライフ」など多数の連ドラで主演。映画も「武士の一分」「検察側の罪人」「マスカレード」シリーズなど多数主演。「日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」で、94年に石原裕次郎新人賞、07年に主演男優賞。血液型O。

◆綾瀬(あやせ)はるか 1985年(昭60)3月24日、広島県生まれ。00年ホリプロタレントスカウトキャラバン審査員特別賞。01年、日本テレビ系ドラマ「金田一少年の事件簿」で役者デビュー。04年、TBS系「世界の中心で、愛をさけぶ」でヒロイン役に抜てきされブレーク。07年に日本テレビ系「ホタルノヒカリ」で連ドラ初主演し、13年にはNHK大河ドラマ「八重の桜」で主演。映画も08年「僕の彼女はサイボーグ」、15年「海街diary」など主演多数。「日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」で08年と15年に主演女優賞。血液型B。