三浦友和(71)が「ケイコ 目を澄ませて」「線は、僕を描く」「グッバイ・クルエル・ワールド」で助演男優賞を受賞した。

三浦は、スピーチで「コロナ禍で3年間、撮影が延期されたり、上映が遅れたり…昨年後半に3本くらい重なった。合わせ技のような形で、いただいた」と口にし、「重たいですね」と、トロフィーの重さに驚いた。

「ケイコ 目を澄ませて」では、主演の岸井ゆきの(30)がふんした生まれつき両耳が聞こえないプロボクサーを指導する、視力を失いつつあるボクシングジムの老会長を演じた。司会のフリーアナウンサー笠井信輔(59)から、役作りについて聞かれると「クランクインの日に、岸井さんがプロボクサーの体、心が出来上がっていて、入りやすかった。打ち合わせは、する必要がなかった。言葉がなく、せりふがなくて伝わるのが基本…それが、すごく顕著に表れた映画」と語った。

若い頃は主演を張り、年齢を重ねてからは助演として、幅広い作品、役どころを演じてきた。そこに面白みを感じるかと聞かれると「(俳優を)50年もやっているんで主役、助演の感覚もなく、映画に参加させていただいているのが大きい。(出演作の)完成度が高まるように自分がいられたら」と語った。そして「キネマ旬報の賞は、ちょっと特別な感慨があります。とてもうれしい。俳優として、こういう賞をいただいても勘違いしないよう精進したい」と話した。