脳科学者の茂木健一郎氏(60)が3日、ツイッターを更新。“キラキラネーム”を制限する戸籍法改正の要綱案に、「上から押し付けで余計なお世話」と異論を唱えた。

戸籍の氏名に読みがなを付けるにあたり、本来の読み方や意味と異なる「キラキラネーム」をどこまで認めるかを審議してきた法務省の法制審議会は2日、名前の読み方は「一般に認められているものでなければならない」という規定を設けた要綱案をまとめた。

茂木氏は、「余計なお世話だと思う」と言及。「そもそも、『漢字』はもともと外国語である中国語由来で、音読みは別として、訓読みはやまとことばの近い意味をひっぱってきてよみがなを振った先人の智慧である。その創造性ゆえに日本語は豊かになっているが、『よみがな』が元々はむちゃぶりである本質は変わらない」と指摘した。

難読の氏名の例にあげられることの多い「小鳥遊(たかなし)」や「黄熊(ぷー)」について、「『小鳥遊』と書いて『たかなし』と読むのはしゃれているけれども、『黄熊』とかいて『ぷー』と読ませるのも別の意味でセンスがある」とした上で、「それをキラキラネームだと決めつけるのは価値観の押し付けであって、訓読みにあらわれている先人の想像性に対するリスペクトに欠けている」と断じた。

「そもそも、私は、世間の一部にある、『キラキラネーム』を親の教養の欠如だと言って馬鹿にするような風潮が好きではない。人様のお子さんの名前に対して、なんて失礼なのかと思う。原則自由で、あとは良識に任せるべきなのであって、法改正してあれこれ言うのは筋が悪い」と茂木氏。「『有識者』や、『政府』が、この漢字の読み方はOK、これはダメ、と判断すること自体が上から押し付けで余計なお世話、というのがまっとうな感覚だと私は思う。今回検討されている法改正は筋が悪く、私は断固反対する。これがいい案だと思っている『有識者』の『学識』自体が怪しい」と私見を述べた。