タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校109期生40人の卒業式が2日、兵庫県宝塚市の同校で行われた。今年も卒業生・在校生ともに事前のPCR検査で陰性を確認。コロナ禍以降の卒業式にならい、生徒1人に保護者2人までに絞るなど、出席者数を削減して行われた。

式典にあたり、成績上位4人がコメントを発表。首席の娘役志望、河谷杏実(かわたに・あみ)さん(兵庫県宝塚市)は、魅了されたOGに元星組トップの安蘭けい、柚希礼音らの名をあげ、娘役としてのあこがれは、宙組トップ娘役の潤花だといい「(潤の)気品が目標」とした。

上位4人のうち、山田早瀬(やまだ・はやせ)さん(東京都練馬区)は、男役志望。山田さんは祖母、母、姉が宝塚ファンで、映像で初鑑賞してから「絶対に宝塚の舞台に立ちたいと思っていた」と語った。

目標の上級生には、繊細な表現力と、抜群の歌唱力を誇った元雪組トップ望海風斗をあげ「望海さんのように役の心情を細かく表現することのできる、歌の得意な男役になりたいです」とした。

舞台人としての目標には「前向きな明るいエネルギーを(観客に)お届けできる力を持つタカラジェンヌを目指します」と未来を見すえた。

コロナ禍での入学、卒業となり、同期生のサプライズ誕生会を計画したことが思い出といい「実施できなかった行事もあり、悔しい経験をしたからこそ大きな学びがあったと思います」。体調管理の重要さも学び「自己管理する力がつき、舞台人として絶対に舞台に穴をあけてはいけないと思う責任感も生まれました」とも口にした。

また、星組トップ礼真琴にあこがれ、志したという娘役志望の平沢桜(ひらさわ・さくら)さん(東京都豊島区)は「人の心を動かせる、表現力のある舞台人を目指します」。学校の思い出には、2月末に無事上演された卒業公演にあたる文化祭をあげた。

川島笙(かわしま・しょう)さん(大阪府池田市)も娘役志望。宝塚を観劇し「劇場中の空気を動かす一糸乱れぬパフォーマンス」に感銘を受け、入学。目標には、元雪組トップ娘役の真彩希帆、宙組トップ娘役の潤花をあげ「凜(りん)とした役や、とびきり元気な役など、どのような役でもその役の魅力を存分に引き出せる舞台人に」と誓った。