NHKは24日、17日に公開された庵野秀明監督(62)の新作映画「シン・仮面ライダー」の製作に2年間、密着したドキュメント「『シン・仮面ライダー』~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~」を制作、放送すると発表した。

1971年(昭46)にTBS系で放送された特撮ドラマ「仮面ライダー」に始まる、仮面ライダーシリーズ52年の歴史の中で、制作現場に長期取材のカメラが入るのは今回が初めて。31日午後10時からBSプレミアム、4月15日午後7時半から総合で、それぞれ放送する。

「シン・仮面ライダー」は、庵野監督にとって16年「シン・ゴジラ」以来7年ぶりにメガホンを取った監督作。原作となった「仮面ライダー」は、主人公の仮面ライダーが世界征服をたくらむ悪の軍団ショッカーと闘うヒーローアクションで、放送当時、小学5年生だった庵野監督は「新しいものが来た」と大きな衝撃を受けた。それ以来、長年、温めて続けてきた企画を自ら映画会社に持ち込んだという。

目指したのは“ノスタルジーと新しさを融合したアクション映画”だ。ひときわ思い入れが強い映画の主演には池松壮亮(32)を抜てきし、手だれのアクション・チームも招集した。しかし、相反する2つのテーマの追求は、製作現場に大いなる葛藤と波乱を呼ぶことになった。かつてないヒーローアクションに挑んだクリエーターたちの2年間を追った。

庵野監督は、21年9月に都内で行われた「シン・仮面ライダー対庵野秀明展」会見で、仮面ライダーこと本郷猛役に池松を起用した理由について説明。藤岡弘、(76)が演じたイメージが強く「踏襲しても消化できない。別の本郷猛を作らざるを得ない。池松君がやるなら、違う本郷になってくれるんじゃないか」と期待を込めて起用したと語っていた。