昨年11月に61歳で亡くなった俳優渡辺徹さんの「お別れの会」が28日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた。徹さんの長男で、喪主を務めたタレントの渡辺裕太(34)が、あいさつを述べた。

裕太は「今日は本当にありがとうございます」と参列者に感謝した。そして「父が亡くなって、今日でちょうど4カ月になりました。正直なことを言うと、本当にまだ実感がないなという気持ちです」と素直な気持ちを吐露。まだ実家に遺骨があるといい「お線香に火をつけて、手を合わせる。この笑っている渡辺徹さんに、お線香の香りを嗅ぎながら手を合わせるというのが、すごく不思議な感覚で、なれなくて寂しくて。ちょっと笑っちゃったりしてるようなそんな状態です」と話した。

徹さんが亡くなった直後、葬儀などでバタついたため、父との時間を過ごせなかったという。それもあり「何とかもう1回、父親と会話したいなと思って、夜1人で目をつぶって笑顔の父親を思い浮かべて、なんて言ってくるだろうなって思ったんですけど。その時に父親は笑いながら、『裕太あとは頼んだぞ』というふうに笑顔で言ってきてくれたような気がします」とし、「前向きにしっかり現実を受け入れて、進んでいこうというふうに決意しました」と語った。

徹さんは入院後、約1週間で亡くなった。そのため、家族、関係者にあいさつや感謝を言えなかったことを悔しがっていると推察し、「時間がもしあったら、渡辺徹はこういうことを言ってくるだろうなとか、あの笑顔で言ってくるだろうなっていうことを思い浮かべながら、ぜひ今日のこの時間を過ごしていただけたらと思います」と言葉に力を込めた。